世間では今日から大型連休に突入した。
この間、毎年隠居は蟄居ということになるのだが、今年は昭和の日に外出することになった。
ワケあって、めったに行かない岡山イオンまで、映画「追憶の森」を観に行ったからである。
映画館の前はサスガに人がいっぱいだったが、「追憶の森」の観客は少なく、まばらだった。
一口で感想を述べるのは非常に難しいが、突然妻を喪った一人の男の喪失と再生の物語である。
アーサー・ブレナンは、片道切符を手に日本に、富士の裾野に広がる青木ヶ原樹海にやって来る。
目的は自らの人生を終わらせるために。
そんな彼の前に突然、傷つき出口をもとめて彷徨うナカムラ・タクミという日本人男性が現れる。
アーサーは、自分の目的も忘れてタクミを助けようとするうち、自身も崖から転落、怪我をしてしまう。
その後、死ぬために足を踏み入れた樹海で、二人の生きるための闘いが繰り広げられる。
壮絶なサバイバルの合間合間に、アーサーの結婚生活がフラッシュバックのように映し出される。
それはけっして順風満帆なものではなく、ケンカも絶えないばかりか離婚の危機さえあった。
一方、ナカムラ・タクミは最後まで何者か謎のままである。
しかし、彼が教えた妻と子供の名前、あるいは日本語の歌、そして謎めいたことばの数々が、やがて重大な意味を持つことを知ることになる。
いったいなぜ、アーサーは樹海でタクミと出逢ったのか?
それが最後に解き明かされるのだが、信じるか信じないかはあなたの自由です。
けれど、信じる者は救われる?
日米を代表する演技派マシュー・マコノミーと渡辺謙の共演、そして舞台となった神秘的な森が見ものだが、ロケの大半はアメリカ・マサチューセッツ州で行われたそうである。