昨日、9ヶ月ぶりに映画館へ映画を観に行った。
こんなに長く映画館に行かなかったことは、ここ十数年では無かったと思う。
新型コロナの影響と、ぜひ観たい映画が無かったせいかもしれない。
「スパイの妻」という日本映画で、先日黒沢清監督がヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した作品である。
私は残念ながら黒澤清監督の作品は、たぶん初めである。
実は昨日は「鬼滅の刃」の公開日でもあったのだが、私は迷わずこの映画を観たのだった。
久しぶりの映画でもあり、映画の世界に強く引き込まれ、映画の醍醐味を十分に味わった。
日中戦争のさなか太平洋戦争間近という時代を背景に、神戸に暮らす一組の夫婦の運命が描かれる。
貿易商を営む夫が満州から帰って以来、妻は夫の変化に気づき不安にさいなまれる。
そんな妻の不安な気持ちそのままに映画はサスペンスタッチで進んでいく。
効果的な音楽も相まって緊張感に包まれ、少々怖いくらい。
やがて妻は夫の秘密を知るのだが、その後の妻の変貌と行動力には驚かされる。
前半の夫に頼り切ったような古いタイプの妻から、「あなたがスパイなら、私はスパイの妻になります」と言い切る強い妻。
その妻を演じる蒼井優さんは美しく、そしてお見事!