長年おなじ中国地方に住んでいながら、しかも美術館巡りが好きな私が、なぜか足立美術館へ行ったことがなかった。
それが、一昨日急に行くことになったのは、今思っても不思議である。
偶々別の友人が足立美術館へ行ったということをフェイスブックで知ったとはいえ、まさか自分が行くことになるとは思ってもみなかった。
一昨日は友人とランチに行く予定だった。
行く先は決めてなかったが、私的には少し遠出がしたい気分だった。
それが遠出も遠出、隣りとはいえ県外の島根県安来市まで行くことになったのは前日の事だった。
もちろん、友人が快く賛成してくれ、おまけに運転まで引き受けてくれたおかげである。
高速を走って片道2時間半ということで、朝9時半出発、足立美術館についたのが正午頃だった。
まず腹ごしらえ、といことで喫茶室「大観」でカレーライスを食べゆっくり珈琲を飲み、イザ見学。
1階は絵ではなく日本一という庭園を鑑賞、2階が絵の展示室になっている。
横山大観始め、明治・大正・昭和の日本画の名品の数々が展示され、毎年秋に特別公開される大観の「紅葉」が一際華やかである。
庭の写真は許可だったので自分で写真を撮ったのだが、何しろ初めてでもあり、人も多く、満足いくものではない。
「庭園もまた一幅の絵画である」という当館創設者の考えがよく表れた庭の見せ方は素晴らしい。
窓枠が額縁のように作られていたり、床の間の壁をくりぬいてまるで掛け軸のように庭を見せていたりする。
庭園もまた一幅の絵画であるばかりか、庭園は自然の絵画であり、四季折々に変化する生きた絵画でもあるのである。
そんなわけで、一度行ったくらいでは到底満足できない、できれば四季折々に行ってみたい美術館なのだった。
庭園はもちろん、季節による展示替えもあるので最低4回は行かなければならない?
ただ一つ、庭に関して言えばあまりに完璧すぎる、というのが新参者の私の偽らざる感想ではあった。
また機会があれば、別の季節に行ってみたいものである。