今日8月15日は日本では終戦記念日、特に今年は60年という節目の終戦記念日です。
正午からの黙祷をはさんで全国戦没者追悼式典がしめやかに執り行われました。
一方韓国では今日8月15日は光復節と呼ばれ、日本の植民地支配からの解放記念日です。
ソウルのあちこちでは光復(独立)60周年記念イベントが開かれる模様です。
日本にとって敗戦という屈辱の一日が、韓国にとっては光復という喜ばしい一日であるという事実。
くっきりと分かれた暗と明。しかしやがて暗が明に、明が暗に変わっていったのはなぜなのか?
朝鮮半島の苦難に満ちたこの百年の歴史と、その歴史に大きく関わった日本という隣国。
在日二世として日本に生まれた姜尚中氏のふたつの「祖国」への思いあふれる一冊です。
本の内容はけっこう難解なのですが、冒頭の一節をちょっと長いですが、引用します。
「ヨン様」に代表される「韓流ブーム」の勢いは凄まじい。韓国はまるで憧れの別天地に生まれ変わったと錯覚するほどだ。大げさに言えば、こんな現象は有史以来のことではないか。だが、その一方で悪の権化のような「ジョンイル(金正日)」バッシングも衰える気配はみられない。
「ヨン様」と「ジョンイル」。朝鮮半島の分断国家を象徴するようなふたりのキャラクターは、いったいどこで結びつくのだろうか。もちろん、大方の日本人にはふたりはそれぞれ別世界の人とみなされているはずだ。つまり、「ヨン様」と「ジョンイル」はまったく違った国の住人とみなされているのである。ふたりが同じ民族に属し、同じような言語を話し、ほぼ同じような伝統を分かち合っていても、「ヨン様」と「ジョンイル」はお互いに「外国人」と思われているのではないだろうか。
そして、姜氏の思いは次の一節に集約されています。
歴史が教えているのは、デモクラシーや正義が平和を生み出すのではなく、平和がデモクラシーや正義を生み出すということである。そして平和にまさる価値などどこにもないのだ。人命が失われることこそ、最大の悲劇なのだから。
本を一冊読んだくらいで何も言えませんが、今のこの韓流ブームを単なるブームで終わらせたくはない、いえ終わらせてはいけないと思っています。
ミーハーにはミーハーの心意気ってものがあるのでございます。