さいきん、読書の時間が真夜中というか、早朝に移ってきている。
要するに、夜中に目が覚めて眠れない時に読むのである。
そのうち眠くなって寝ることもあるし、そのまま夜が明けて朝になることもある。
とりあえず朝になったら起きるので、睡眠不足の日もあるが気にしない。
ただ、枕元にいつも本が積み上がってしまうのが悩みの種。
今朝まで積まれていたその中の三冊を、今日本棚に戻すことに。
なぜなら、ブログ記事にすることでやっと私の中で読了した気がするからである。
養老孟司の壁シリーズ三冊である。
先日つい『「自分」の壁』を買ってしまいすぐに読み終えた。
ついでに本棚にあった「バカの壁」と「死の壁」を捜しだし読むことにした。
モチロン、以前に一度読んでいるのだが、内容をすっかり忘れていたことに自分自身驚いた。
「バカの壁」は以前はイマイチピンとこず、一年後の「死の壁」以来養老孟司は読んでいなかった。
でも今回三冊を読んでみて、養老孟司の言いたいことは一貫していることがよく分かった。
とくに『「自分」の壁』は、個人主義の行き過ぎに対する警鐘の書となっている。
『この世の中で生きていくうえで大切なのは、「いかに人と違うか」ではなくて、人と同じところを探すことです。』と書かれている。
ふと、安野光雅著「絵のある自伝」の中の文章を思い出した。
『わたしたちは西洋と東洋の違いにばかり目が行くが、よく考えてみると、違うところよりも同じことの方が多い。~中略~みんな同じ地球の上に住んでいる。そして国それぞれ、人それぞれに、違った毎日をおくっているのだと感じた。』
わたくし的には、今さらこのテの本を読むのは手遅れの感が無きにしも非ずの今日この頃です。