昨年末に購入、お正月暇にあかして読む予定が未だに未読という2冊の本と、10日以上読み続けてもなぜか読み終わらない本。
「小説を読む、ことばを書く」
金井美恵子エッセイ・コレクション3。実はこれが一番メインかも。あとの2冊はどうにか読み終えたのだが、この本は最初の数ベージで挫折、そのままになっている。
自分の読書能力も考えず本を買うとロクなことはない、という証し。
挫折の原因としては、最初から順に読もうとしたことにもあるようで、自分の興味のあるものから読むべきなのかもしれない。
ま、寝て読む本でないことだけは確かである。
いつか再挑戦したいと思ってはいるが、いつのことやら?
「胞子文学名作選」
この本は蟲文庫の田中美穂さん編の、たいへんユニークな本である。けどユニークすぎて、文字通り読めないのである。
べつに本が悪いのではない。悪いのは私の目の方で、字が小さすぎたり、地に色や柄があったりすると読み辛いのである。
ただ一篇一篇装丁が違うので、中には字も大きく読めるものもあるのは事実。ただ、太宰治の「魚服記」はiPadで読むしまつ。
苔を愛する田中さんらしい本で、ま、私的には持っているだけで楽しい本、なのである。
「感受体のおどり」
つい先日第150回芥川賞が決まったばかりだが、昨年最年長で芥川賞を受賞した黒田夏子さんの長編小説。偶さか図書館で見つけ、ただただ好奇心のままに借りた本。でもこれが、なかなか読み終わらないのである。
「abさんご」と同じくひらがな多用の横書き文章はまだいいのだが、登場人物が多いうえそれぞれの名前が紛らわしく覚えられない。まるでロシア文学を読む時みたいに何度も何度も登場人物表(相関図)を見るハメに。また、三千日とか二千びょうとか千じかんといわれると、計算苦手なので困ってしまう。
もうすぐ貸出期限が迫っているので、ヤバイ!
「心の力」
そんな中、ストレス解消?に読んだのが姜尚中氏の新刊。昨日半日で読み終え、スッキリ?
姜さんのお好きな夏目漱石「こころ」とトーマス・マン「魔の山」の後日談を描いた創作小説を折りこみつつ、武器なき戦場の現代、時代と密接にかかわっている個人としてどのように生きるべきかが書かれている。
できるだけ多くの選択肢を持つこと、人の意見をたくさん聞きながらも染まらないことなど、その通りだと思う。また、死によって生は輝く。病気と死を知り尽くしたとき、人の心は健康になる、とも。
私もまた、若い人に何か一つでも伝えられることがあれば、と願う今日この頃である。