中島せんせの本の記事をUPするのは、ナント!4年ぶりである。
ただその間、新作も含めて何冊かは実は内緒で?読んではいる。
この度、「非社交的社交性」という新刊が出たのをいち早くキャッチし、読んでみた。
率直に言えば、なんか、懐かしかったですね。
まるで旧友に会ったみたい?
それも気心の知れた。
中島せんせに叱られるかもしれないけど、同世代のよしみで赦してください、なんちゃって。
中島せんせは予てからの約束通り、2009年に大学を定年前にやめ、今は哲学塾を開かれている。悠悠自適の生活も可能だろうに、また半隠遁などとのたまいながら、悩める若者たちを指導し続けているのである。
この本は、第Ⅰ部「非社交的社交性」と第Ⅱ部「こころ優しく凶暴な若者たち」に分れている。
第Ⅰ部は、今までの持論が述べられており、私みたいに著作のほぼ半数(30冊程度)を読んでいる読者にとってはさほど目新しいものではない。
「非社交的社交性」とは含みのあるカントの言葉で、
人間は「社会を形成しようとする性癖」と「自分を個別化する(孤立化)する性癖」の両面を持っている。つまり、人間はまったく一人でいることもできないが、といって他人と一緒にいると不快なことだらけである。その結果、誰も彼もが「どうにも我慢できないが、すっかり離れることもできない仲間」に囲まれているというわけである。(本文より)そしてこれこそが人生最大の課題なのである。
第二部「こころ優しく凶暴な若者たち」は、中島せんせの哲学塾に通う若者たち(中には中高年もいる)について書かれている。
彼ら、あるいは彼女らは、現代日本で起こっていることのほとんどに興味がない若者たちで、「生きにくさ」を痛切に感じるがゆえに人生の意味を問い続けている。
そんな哲学塾の塾生には、極めて少数の「かなりヘンな人」と、多数の「ちょっとヘンな人」と「ほとんどまともな人」がいるらしい。
その中の「かなりヘンな人」に焦点を当てることで、こころ優しく凶暴な若者たちの実態が語られる。
そんな若者を相手に日々孤軍奮闘する中島せんせは、まさしく非社交的社交性を実践されてるんですね。
それもこれも、悪く強いと自ら仰る中島せんせだからこそ可能なのかも・・・
ぜひ、真面目で不器用で繊細で人間関係を築くことがヘタな若者を見守ってあげてください。