今日は偶さか時間が空いたので、岡山県立美術館へ日本伝統工芸展を観に行った。
全体の雰囲気がいつも同じというのも、この展覧会の特徴である。
そして、その変わらなさに、なぜかほっとしたりするのである。
「もっと伝統工芸 ~技と美の出会い~」 という企画が、今年は佐藤常子さんの染織だった。
佐藤さんは岡山在住の染織作家、植物染料で染めた糸で織られた着尺はほとんどが縞模様。
シンプルだけどその色合いは、複雑な柄にも増して美しい。
今回古い縞帖などと共に、佐藤さんの作品が多数展示されている。
伝統的な縞柄が、佐藤さんによって現代の縞に、風景画のような縞に甦るのである。
織物の道具の展示もあって、ほとんど我家にあるものばかりなのを複雑な想いで眺めるのだった。
自分の道をまっすぐに歩く人はさいわいである。
一つの道をとことん極める人はさいわいである。
そして、もの造りの喜びを知る人はさいわいである。