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ひとりあそび


私がこの世に生きた証し
by fu-minblog
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「おまえなしでは生きていけない」

今週BSプレミアムで放送されている「おまえなしでは生きていけない 猫を愛した芸術家の物語」を見ている。
第1回(月)は画家藤田嗣治、第2回(火)は作家内田百閒だった。
猫ばかりか、藤田嗣治も内田百閒も好きなので、つい熱心に見たのだった。
ちなみに、本日(水)は向田邦子、明日(木)は夏目漱石と続くので楽しみにしている。


「おまえなしでは生きていけない」_c0026824_15593290.jpg藤田嗣治は、世界美術史上最も多く猫の絵を描いた画家、あるいは、フランスで最も有名な日本人画家といわれる。すばらしい乳白色と称えられる藤田の裸婦のその足元に、そして自画像にもいつもネコが描かれる。まるで自分自身のサインのように。

藤田嗣治は、西洋絵画に日本画を取り入れることで、独自の絵画世界を作り上げるのに成功。その絵のモチーフとして、猫は藤田にとってかけがいのないものであった。この、野獣性と家畜性の両方を併せ持った猫を、藤田は愛してやまない。

私の持ってる「猫の本」を見ると、猫のあらゆるポーズが描かれ、猫の愛らしさ野獣性がとことん表現されている。そしてこの中の1枚が今我家の壁にかかっている。モモの身代わりとして。


「おまえなしでは生きていけない」_c0026824_1691880.jpg内田百閒と猫との関係はなんとも切なく哀しい。なんせ、初めて飼った猫ノラと過ごした時間より、居なくなったノラを想い続ける時間の方がずっと長い。まるで、初恋の人を想い続ける純情な少年のようである。

その間の心情は「ノラや」に詳しく書かれているのだが、その狼狽ぶりには、内田先生には悪いけど、ちょっと笑える。いえ、身につまされてしまうのである。オス猫を放し飼いで飼った経験のあるヒトなら、たぶん、たいていは経験することなのである。特にノラ猫を拾って飼うと、ある日突然フラリと居なくなるのである。そして、帰ってくることもあれば、そのまま帰ってこないこともある。

かくして1匹の野良猫が、頑固で変わり者の老作家を絶望の淵に追いやり、14年もの長きにわたり想い続けさせることになる。まさしく猫の魔力、ヒトを虜にする不思議な魅力なのである。たぶん、内田百閒自身の中に、猫と通じる何か、猫的なものがあったのではないだろうか。
そんな気がする。

かくいう私も、最初に猫を拾って飼いはじめて間もなく出ていかれてしまった。
内田先生みたいに新聞広告こそ出さなかったが、名前を呼びつつアチコチ探し回ったものである。
結局ヨレヨレになって帰ってきたのだが、元気になるとまた出てゆく、の繰り返しなのだった。

猫は芸術家と暮らすと立派な作品として残るのである。
けれど、そうでない人間にとっては何が残るのだろう。
かたちこそないが、たしかに、ある貴重なものを飼い主に残して去ってゆくのである。
by fu-minblog | 2011-06-29 17:07 | 雑感実感 | Comments(3)
Commented by Rika-news at 2011-06-29 18:29
fu-minさん、ご無沙汰です。
内田百閒を見逃しましたが、向田邦子編は只今しっかりと録画予約したところです。
大昔に読んだ向田さんのエッセイで「60グラムの猫」があります。未熟児の猫を夜も寝ずに育てる“子育て奮闘記”ですが、
「リカちゃん人形の哺乳瓶でも大きすぎてダメ」なほど、小さな猫。
ネコの目方が120グラムに増えた時には、向田さんは3キロ痩せていたといいます。
エッセイは1977年に書かれ、向田さんはその4年後に不帰の人となります。未熟児はその後、貰われていきますが、母猫はその後どうなったのでしょう。番組にヒントがあるかもしれませんね。
Commented by fu-minblog at 2011-06-29 21:30
> Rika-newsさん
お元気ですか?
今日の向田邦子編は私も録画だけしてまだ見ていないのですが・・・
向田さんの猫好きも、かなりのもんみたいですね。
内田百閒も心痛のあまり痩せ衰えたとか、猫の家出には私も何度もオロオロしました。

ところで、ブログの再開はまだでしょうか?
我家の猫は家出しても必ず帰ってきました。
楽しみにお待ちしています。
Commented by Rika-news at 2011-06-30 07:39
あいすいません。
フーテンの寅ならぬ“猫”は、まだしばらく放浪の身でございます。
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