一瞬の選択ミスが一人の男を破滅へと追いやってしまうというアクション・ノワール。
R-15指定ですが、イ・ビョンホンのファンで心臓の弱い方にもあまりオススメできません。
前半の静かな流れと対照的に、後半は凄惨な血みどろの闘いが繰りひろげられます。
いつもスーツに身を包み、知性もあり、もの静かでストイックなソヌ(イ・ビョンホン)が、ある
瞬間を境にわけも分からぬまま抗争の渦に巻き込まれてゆくという彼の人生そのままに・・・
一対組織という構図は「ランボー」や「ダイ・ハード」といったアメリカ映画にもありますが、この
映画どちらかといえばフランス映画に近い感じです。
アクションシーンはかなりハードでコワーイですが、ほかの場面の映像がとても美しいのです。
静と動、光と闇の対象がくっきりと際立っているようです。
また、ヒス(シン・ミナ)という女性は、まだあどけなさの残るどちらかと言えば中性的な女性に
なっています。
ちなみにシン・ミナは「火山高」「美しき日々」からみると女優として成長の跡が見られます。
コワーイ暴力シーン、しかし一番怖いのは取り返しのつかない選択ミスです。
「ストイックに美しく掟の世界に身を置く男たちの、修正不可能な選択」です。
非常に象徴的に描かれてるとはいえ、自分の人生に重ね合わせるともっとコワーイ!
怖いついでに言えば、私は知性のない人間が一番怖いわけで、あのボスはじめソヌ以外の
やくざはみな怖い。
ソヌだけはなぜかやくざ(マフィア?)とは思えない、知性的で繊細ささえ感じるように描かれているのはやはりイ・ビョンホンだからでしょうね。
ソヌのヒスという女性に対する気持ちはほとんど画面には現れませんが、さいごの最後に
ソヌが彼女に残したプレゼントで全てを語るという心憎い演出には、ほろりとさせられました。
彼の選択ミスの原因はやはりヒスという女性への愛だったのか!?
作品としては見応えあると思いますが、どーも私の苦手なジャンルでございます。
ただ、なぜ「甘い人生」なのかいまだに謎が残っている訳で、ちょっぴり悩んでます。
さいしょ、逆説的な意味なのかなとも思ったのですが・・・・・
映画の最初と最後にそのヒントが語られますのでぜひお聞き逃し、
いえお見逃しなく !!
※ 解りました! 考えが甘い、判断が甘いの「甘い」でした。(連休のなか日 5/2 追記)