臭木と書いてクサギと読むちょっと気の毒な名前の木が、どこの山にもあるのか、
それとも私が住んでる山にたまたま多いのかは定かではないが、今花の盛りである。
遠くから見ると緑の中に淡いピンク色がそこだけ霞んだように見える。
クサギの実を染料として採集していた頃は、実しか目に入らなかったのだから勝手なもんである。
植物染料はそのほとんどが媒染剤を必要とするが、媒染剤無しでも染まる数少ない染料である。
実は赤い額に一粒ずつ護られていて、まるで瑠璃色の真珠みたい。
今年はきっと実をたくさんつけることだろう。