ひとりあそび


私がこの世に生きた証し
by fu-minblog
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新の記事
「引揚げ文学論序説」
at 2017-03-26 11:22
野にも春
at 2017-03-20 14:34
ミモザの花咲く頃 2017
at 2017-03-15 17:40
花は咲く 2017
at 2017-03-11 14:43
倉敷川千本桜
at 2017-03-10 15:51
舩木研兒 遺作展
at 2017-03-04 15:27
これが最後かひな祭り
at 2017-03-03 15:07
欲張りなライブ
at 2017-02-27 16:12
「LA LA LAND」
at 2017-02-24 21:20
ガラスとテキスタイルのアート..
at 2017-02-17 18:36
最新のコメント
sophilさん こんに..
by fu-minblog at 17:31
こんにちは この時期は..
by sophil at 10:11
>dogholicさん ..
by fu-minblog at 10:09
私と同じ思いで、また、同..
by dogholic at 07:48
empikさん ご心配..
by fu-minblog at 10:31
>yumi_dearth..
by fu-minblog at 09:30
⬆️は別名、Jelly ..
by yumi_dearth at 18:32
fu-minさん 久し..
by yumi_dearth at 18:30
>empikさん まさ..
by fu-minblog at 14:56
うわぁ〜!ほくろちゃん女..
by empiK at 11:56
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
ライフログ
ファン

タグ:小説 ( 80 ) タグの人気記事

「100万分の1回のねこ」

佐野洋子さんが亡くなられて6年余りが過ぎた。
佐野さんのエッセイの大ファンだった私には、内容はもちろん、もうあの歯切れのいい文章が読めないのかと、人生の楽しみが一つ減ってしまったような気さえしたのだった。

その後、それまでの単行本に収録されなかったエッセイや対談集、追悼特集が数冊出版され、その度購入しては読んだのだった。
今回の「100万分の1回のねこ」は、中でもちょっと遅めに出版された本で、私もモチロン目にしていた。
佐野さんの絵本の代表作「100万回生きたねこ」の13人の作家によるトリビュート短編集なのだが、当時はなぜかあまり興味が湧かなかったのである。

それがつい先日書店をウロウロしていた時偶々見つけ、つい買ってしまった、というわけなのだった。

c0026824_10422760.jpg


佐野さんのエッセイ集は、たぶんほぼ全部読んでいて、しかもそのほとんどを持っていると思う。
それほど、佐野さんのエッセイ、佐野さんの生き方、考え方に憧憬の念を抱いていたのだった。
ただ、本職の絵本の方はあまり読んでなく、我家にあるのは「100万回生きたねこ」だけである。
しかも、初版から30年経った2007年版で、オトナも大人、いい歳になってから読んだのだった。

「100万回生きたねこ」を、もし子どもの頃読んでいたら、いえ、この絵本を読んだ子どもたちがどんな感想を持つのか、ぜひ、私は知りたい。
なぜなら、絵本としてこんな不思議な本もなく、ある意味哲学的でさえあるからである。
一匹のオス猫が死んでは生き返り、しかもその度、嫌いだという飼い主を泣かせるのである。
さいごに、ノラ猫になったオス猫が、自分自身より好きになった白猫が死んだとき、はじめて100万回も泣いたあと、となりでしずかに永遠の眠りについたという・・・

まさしく、佐野洋子さんらしい、佐野さんでなくてはゼッタイ書けない絵本だ、と思う。
「100万分の1回のねこ」を読んで思ったのは、やはり原作は越えられない、この絵本の圧倒的な力強さを否応なく感じるのだった。
佐野洋子さん、これからも、何度でも100万回だってよみがえってください。
by fu-minblog | 2017-02-12 11:26 | | Comments(0)

「マチネの終わりに」

今年初めて本屋で買って読んだ本が、平野啓一郎著「マチネの終わりに」である。
もはや新刊とは呼べないのかもしれないし、モチロン、出版された時から知ってはいた。
ではなぜ、平野啓一郎サマの本を今まで読まなかったのか、あるいは、なぜ今になって読む気になったのかは、自分でも分からない。

でもとにかく、遅まきながら「マチネの終わりに」を読んで、久しぶりにどっぷり小説世界に浸ることができたのだった。
最近読みたい本買いたい本が無く、仕方なく手持ちの本の再読で我慢していたのがウソみたい。
以前だったら徹夜で一気読みしたかもしれないが、サスガにその体力も集中力も今はない。
けれど、それくらい面白く、のめり込んだのだった。

c0026824_16585814.jpg


オトナの男女の恋愛を軸に、様々な世界の社会問題、古くは長崎での被爆から現代の紛争・テロ・金融危機・難民問題・天災などを絡めつつ、スケールの大きい物語が展開。
最初、天才ギタリストと聡明で美人のジャーナリストという主人公の設定にはアレ?だったのだが、理不尽な人生を受け入れつつも前に進んでいく二人の潔さには感動。
ちょっと美しすぎる気がしないでもないが、せめて物語だけでも美しい方がイイ!というのが正直な気持ちである。

平野啓一郎といえば、芥川賞受賞作「日蝕」以来のファンである。
我家の本棚にもかなりの著作が揃っており、この度引っ張り出してみた。
これ以外に、文庫本や新書のエッセーも何冊かある。

その中でも今回の「マチネの終わりに」は、この作者独特の美しい日本語の美しい文章が、まるで音楽のようにメロディーがあり心地よい。
そして、わたしとしたことが、思わず感涙に咽んだのだった。
by fu-minblog | 2017-02-01 18:29 | | Comments(0)

この夏の読書

私の夏の楽しみの一つは、昼間ベッドやソファーに寝っ転がって本を読むことだった。
けれど、今年はあまりに暑すぎた!
おまけに、睡眠不足が続いて横になると眠くなる、という有様。
おかげで、最近めっきり減ってる読書がますます少なくなったのだった。

そんな中、芥川賞の村田紗耶香の本を新たに2冊ばかり読み、計4冊を読んだことになる。

c0026824_9413797.jpg


「消滅世界」と「コンビニ人間」はほんの少しだが触れたことがあるのでここでは省くが、
あとの2冊、「殺人出産」と「しろいの街の、その骨の体温の」をすこし・・・

「殺人出産」は、10人産めば1人殺してもいい、という「殺人出産制度」が認められる世界の話しなのだが、こういう極端な設定を通して、正義や常識に疑問符を投げかけるのがこの作者の特徴かもしれない。
併掲されている「トリプル」「清潔な結婚」も同じで、「殺人出産」から「消滅世界」へと発展したのではないだろうか。

「しろいろの~」は、一人の少女の目を通して、新興住宅地の小中学生の生活が描かれる。
女の子同士の複雑な友情関係、少女のある少年に対するサディスティックなまでの性衝動、やがて中学生になった彼らは、さらに厳しいヒエラルキーの中で身動きがとれなくなる。

時代が違いすぎてとても自分の中学生活とは比べられないが、この年頃の苦しみや傷みが繊細かつ丁寧に描かれた力作だと思う。
村田紗耶香の作家としての力量を感じさせる作品ではないだろうか。
by fu-minblog | 2016-09-01 21:26 | | Comments(0)

「コンビニ人間」

芥川賞は卒業なんぞと言った舌の根も乾かぬうちに、今回の芥川賞を早速読むことに。
それは先日読んだばかりの「消滅世界」の村田紗耶香が偶々受賞したからである。

ここ数年芥川賞作品はだいたい読んできたが、「コンビニ人間」は読みやすく、面白い。
コンビニという、今や最も日常的で生活に密着した場所が、ガラスのケースの中の異次元に見えたりしてくる。

c0026824_1181857.jpg


主人公古倉恵子は、コンビニでのバイト歴18年、マニュアル化したコンビニ店員としてしか生きてゆけない。
そんな就職もせず結婚もしない彼女を、家族や友人や同僚でさえ異端視する。
しかし、婚活目的の新入り男性が現れて、しかも物の弾みで同居することになり、事態が急変していく・・・

ここで問われるのは、普通とは何かということであり、正常と異常、あるいはマジョリティーとマイノリティーの問題である。
そして、これはなかなかに難しい問題なのである。

そういう点で、この小説にかんしては、あまりに短絡的な気がしないではない。
今どき、就職もせず結婚もしない人間はけっして珍しくはないし、選ぶ自由はある。
他人の思惑なんぞ気にせず、自分は自分、他人は他人で生きていけばよいのである。

「消滅世界」では、性と生殖を切り離した人間の近未来が描かれていた。
また「コンビニ人間」は、主人公のようにマニュアル化されないと生きてゆけない、人間のロボット化をふと思わせた。
それが、「遺伝子の呪縛から脱することに成功した唯一の生物(福岡伸一)」である人間の幸福、あるいは不幸なのかも。。。
by fu-minblog | 2016-07-30 10:55 | | Comments(0)

二冊の新刊

c0026824_11222593.jpg


最近めっきり減ってる本のレビューを久しぶりにしてみんとて・・・
本を読むのが減っているのか、本を買うのが減っているのか、たぶん両方。
ただ、手持ちの本の再読は、けっこうしているのである。

今回たまたま、誰か貸してくれないかな、と思っていた本が借りられた。
今年度の本屋大賞の宮下奈都著「羊と鋼の森」である。
ほとんど昨日一日で読み終わったので、その勢いで書いておこうと思った次第。

ピアノの調律師という、あまり一般的ではない世界の話なのだが、調律師にかぎらず、いわゆる職人の世界では通じる話なのではないだろうか。
読みやすく、スラスラ読めてしまうところが長所でもあり欠点でもある?
また、登場人物があまりにいい人ばかりなのが、少々物足りない。

村田紗耶香の「消滅世界」は、一ヶ月以上前、図書館予約では待ち切れず、さりとて貸してくれる人もなく、泣くなく?自分で購入した。
すぐに読むことは読んだのだが、内容はともかく、人間の性と生殖について一つの問題提起をしていると思う
私は常々、少子化を叫び、産めよ殖やせよと宣うお上に胡散臭さを感じている。

これで今日読む本は手持ちの広井良典著「人口減少社会という希望」に決まり!
by fu-minblog | 2016-07-17 12:45 | | Comments(0)

「鹿の王」

「鹿の王」上下巻をやっと読み終えた。
一気に読めるかと思ったら意外に苦戦、半月ほど懸ってしまったのだった。
実は、上橋菜穂子氏の著作はこれが初めてである。

久しぶりに会った友人がぜひにと勧めてくれたので読む気になった。
ほんとは図書館で借りたかったのだが、ナント!予約待ちが100名近く、待ってられません。
泣く泣く買うハメに。

c0026824_16331965.jpg


スラスラ読み進める、いわゆるファンタジーかと思いきや、そうではなかった。
民族や家族の結びつき、国を奪ったものと奪われた者との争い、感染症と医学、鹿・狼・犬など動物と人間との深い繋がり等など・・・
テーマがあまりにも壮大で、それがかえって集中力を欠いてしまうかんじ。

さらに言えば、固有名詞の読み方が独特で、記憶力の悪い私は苦労する。
おまけに、登場人物が多く、その関係が複雑怪奇。
けれど、中だるみしながらも最後まで読めたのは、二人の主人公の一人ヴァンのキャラクターの魅力や物語のチカラだと思う。

著者があとがきに書かれていることを読むと、なるほどと頷ける。
とくに、人体はまさしく小さな大宇宙であり、細菌やウィルスの働きによって成り立っていること。
そしてそこでは、生と死の壮絶なドラマが繰り広げられている。
また、柳澤桂子著「われわれはなぜ死ぬのか」という本のことが出てきて、驚いた。
なぜなら、私も以前読んだことがあり、本棚を探すとすぐに見つかった。

たしかに、一気には読めなかったが、その分長い間楽しむことができた、ともいえる。
夜寝る前、私の至福の時間が、これで終わってしまう。
次に読む本を、また探さなくてはならない。
by fu-minblog | 2016-05-02 18:42 | | Comments(0)

「新カラマーゾフの兄弟」

先日、読書不況などいう記事を書いて間もなく、図書館から予約本準備完了のメールが届いた。
そして借りてきたのがこの亀山郁夫著「新カラマーゾフの兄弟」上・下巻である。

けっして忘れていたわけではないが、意外に速かったのに驚いたのは事実である。
それからほぼ10日、厚さ4cm位の2冊をどうにか読み終えたのだった。

c0026824_16153167.jpg


私は実は、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読んでいない。
なので、この本との比較はできないのだが、登場人物はほぼ同じにし、1995年の日本を舞台に描かれる。
1995年の8月31日から9月11日までの間の出来事が、兄弟それぞれに、時代を行きつ戻りつしつつ語られる。
しかも、カラマーゾフ(黒木)家の物語と「Kの手記」という2つの物語が並行しているのである。

正直、私にとっては悪夢のような時間(それも長~~~い)だった。
それでも、途中で止めずに最後まで読み終えたのは、やはり、結末が知りたかったからだと思う。
そして今だに、なにやら釈然としない気持ちのままである。

「カラマーゾフの兄弟」は、ご存知のように、父殺しがテーマなのだが、宗教、それも新興宗教が絡んでくるのが私的には理解し難いところ。
とくに、主人公とされる黒木リョウはいったい何者なのか?が謎である。

そんなこんな、ま、最後まで一気に読めた、ってことはそれなりに面白かったことは事実である。
文章も読み易く、なにより、原作と違い、人名も憶えやすい。
実は、これを機にやっぱり原作を読もうかなんぞと、ちらと思ったことは事実である。
けれど、ドストエフスキーは、私にとってはけっしてみだりには読めない作家なのである。

忘れもしない中学一年生の夏休みに読んだ「罪と罰」、世界が一変したような衝撃を受けたのだ。
そして、あれ以来私の人生は狂い始めた気がする。
どうでもいいけど、表紙がコワーイ。
by fu-minblog | 2016-02-16 17:49 | | Comments(0)

「流」 東山彰良

図書館で借りるのを諦めてこの本を買ってから、10日くらいが経った。
一気に読むつもりが、ちょっと他のことに気をとられて遅くなったのだが、今日中と期限を決めて読んだのだった。
なので、読み終わったばかりであるが、とりあえず感想をば・・・

c0026824_15302397.jpg


選考委員満場一致で直木賞受賞というだけあって、スケールの大きい骨太の作品である。
台湾が舞台で、主人公はじめ登場人物もほとんどが台湾の人々である。

時代は1975年、蒋介石死去から1980年代後半までの10数年間。
主人公葉秋生(イエ チョウシェン)17歳からの怒涛の青春時代。
蒋介石の死後間もなく、彼の祖父が何者かに殺されるという事件が起きる。

高校生の主人公はケンカや替え玉受験など無軌道に生きつつも、祖父を殺した犯人を捜し続ける。
戦争中の大陸での祖父の壮絶な人生、台湾での複雑な家族関係、やがて葉秋生は何かに導かれるように真実へ近づいて行くことに。

この作品の成功のカギは、なんといっても台湾を舞台にしたことだ、と私は思う。
日本が舞台では到底考えられないストーリー展開であり、登場人物たちの言動である。
つまり、台湾ならさもありなん、と思えるから不思議である。
私も少々住んだことがあるので、何となく想像できるのである。

ただ、私が住んだのは高雄で、周りはほぼすべてが本省人、この作品のように外省人ではない。
ゆえに、蒋介石の死を悲しんだりはしなかったのではないか?
銅像の多さに反比例して、蒋介石の人気はまるでなかったからである。

ところで、「流」というタイトルは、ちょっと綺麗すぎる気がするのは私だけだろうか。
by fu-minblog | 2015-10-15 17:18 | | Comments(0)

「斜陽」と「人間失格」

テレビ番組で思い出し、太宰治の「斜陽」を読んだついでに「人間失格も」も読んだ。
両方とも、数年前にも読んだのだが、それは私にとって、ほぼ半世紀ぶりのことだったのである。

今回読んでみて、内容はさておき、太宰の文章は流れるようで読み易い。
私は、個人的に、リズム感のない文章は苦手なのだが、太宰の文章はメロディーがあるのである。
また、描写の巧みさ、表現の上手さにはあらためて感心する。

c0026824_10211091.jpg


太宰の小説が多くの読者(とくに若者)に読まれる理由は、『「これは自分のことを書いている」という感想を持つらしい、僕もそうだ』と、又吉直樹が「第2図書係補佐」の中で書いている。
個人的な想い、考え、体験、悩みを普遍化できなければ、どんな芸術分野においてもプロではない。

「弱さをさらして生きられるのは、強い人だ」と何かで目にしたが、その通りだと思う。
ましてや、それを作品に遺した太宰治は、意外に強い人だったのではないだろうか。

余談ですが、今回iPad(寝て読むときはiPadmini)で読んだのだが、なんと読み易かったことか!
ケチなのでつい無料本しか読まないので、これからはもっと利用せねば、と思う今日この頃デス。

※ 写真は手持ちの全集のものですが、私にとっての太宰治はコレ。
by fu-minblog | 2015-09-10 10:39 | | Comments(2)

再読の愉しみ

お盆を過ぎた頃から、ソロソロ夏休みも終わりに近づいてきたなと、うすうす感じるようになる。
夏休みの宿題がまだ終わらない子どもの頃の記憶が甦ったりするのは、怠け者の報いだろうか?

夏休み気分な私にとっても、なんとなくどこからか秋風が吹き始めた今日この頃、この夏の読書のほんの覚え書きを残さんとて。
といっても、この夏は本屋に行っても、図書館に行っても、なぜか読みたい本がなく、しかたなく手持ちの本の再読でごまかしていた次第。

c0026824_11314287.jpgこの本は、小冊子で本文も短くすぐに読めるのだが、内容は濃く深く、哲学者カントのことばに耳を傾ける大切さを実感する。
以前のレビューではしなかったのだが、今の私の心情にあまりにピッタリだったので、いくつか引用させていただきます。アシカラズ

「国家は所有物でも財産でもない。国家は一つの人間社会であって、みずからで支配し、みずからで運営する。みずからが幹であり、みずからの根を持っている。」

「行動派を自称する政治家は、過ちを犯して国民を絶望の淵に追いやっても、責任は転嫁する。」

「永遠平和は空虚な理念ではなく、われわれに課せられた使命である。」  他多数・・・


c0026824_1145391.jpgカズオ・イシグロから離れるハズが、ふと本棚で見つけて再読することになった。たぶん、半月くらいかかったのではないだろうか。一気にではなく、夜な夜な寝る前や目が覚めた真夜中、はたまた早朝に読んだりしていた。

この本も以前レビューはしているが、あらためて、「細部まで抑制が利いていて、入念に構成されていて、かつ我々を仰天させてくれる」という柴田元幸氏の評に同感する。これは、カズオ・イシグロ作品全てに共通するとも言えるが、この「わたしを離さないで」がやはり一番特徴的なのではないか。

この戦慄すべき内容が、なぜこんなに淡々と静かに語られるのか。そして、涙がじんわりにじみ出る感動的なラスト(とくに22章、23章)。タイトル「わたしを離さないで」の深い意味、けっして聞こえることのなかったトミーの叫びなどなど・・・

この2冊は7~8年前に買って読んだ本で、よくぞ買っておいたと今では思う。屡々なぜ図書館で借りないのか、と言われるが、私はやっぱり本は買っておきたいのである。なぜなら、今回のように、急に再読したくなることがけっこうあるのである。

また買った本の大部分は、捨てずに置いている。なにしろ、高校時代の「太宰治全集」はおろか、小学時代の「アルセーヌ・ルパン全集」まで、今もまだ残っているという物持ちの良さ。ついでに言えば、まんが「カムイ伝」も全部あるが、これはわたくしの持ち物ではない。

「本を読む快楽を知るということは、孤独にも耐えうる強い力を手に入れたことと同じだ」と信じるし、またそれを実践して生きてきた、と私は思う。
by fu-minblog | 2015-08-21 15:33 | | Comments(0)


検索
カテゴリ
タグ
(214)
(178)
(126)
(101)
(96)
(95)
(88)
(82)
(80)
(59)
(56)
(51)
(48)
(46)
(40)
(37)
(34)
(33)
(31)
(29)
(28)
(27)
(25)
(24)
(24)
(23)
(22)
(22)
(21)
(21)
(20)
(20)
(20)
(19)
(19)
(19)
(19)
(16)
(16)
(16)
(15)
(15)
(15)
(15)
(15)
(14)
(14)
(14)
(14)
(14)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(12)
(12)
(12)
(11)
(11)
(11)
(11)
(11)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(8)
(8)
(8)
(8)
(8)
(8)
(8)
(8)
(7)
(7)
(7)
(7)
(7)
(7)
(7)
(7)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(5)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
以前の記事
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 01月