ひとりあそび


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カテゴリ:本( 302 )

カズオ・イシグロノーベル文学賞受賞!

一昨日の夕方、今年のノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏が選ばれたと知った時は思わずヤッター!と叫んでいた。
それは驚きと同時に湧き出た喜びの叫びであった。

私が初めてカズオ・イシグロの作品に出会ったのはちょうど10年前、「わたしを離さないで」だった。
そして、たぶん、最初にこの本を読んだことが決定的になったような気がする。
その次に読んだのが「日の名残り」で、イギリスを舞台に老執事の過去と記憶が現在と行きつ戻りつしながら描かれる物語で、映画化もされている。

けれど、2年前に出た新刊「忘れられた巨人」を読んだのをきっかけに、私得意の?まとめ読みが始まったのだった。
そして「夜想曲集」「充たされざる者」上下巻「わたしたちが孤児だったころ」と続くのである。


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ただ、「充たされざる者」と「わたしたちが孤児だったころ」は図書館で借りて読んだので我家にはない。
実は昨日、せっかくなので文庫本でも買っておこうか、と思って本屋へ行ってみたが、一冊もなかった。
それどころか、カズオ・イシグロの受賞がまるでなかったかのような、平常の店頭風景なのだった。
これがもし村上春樹だったら、いくら地方でもこんなことはなかった、と思う。

でも、「充たされざる者」と「わたしたちが孤児だったころ」は、私も再読の自信はない。
ただ、短編集「夜想曲集」は、さっそく昨日から再読開始。
何を隠そう、私の大のお気に入りで、ひょっとしたら私のイチオシかも。。。
秋の夜長、読書の秋を満喫します。

by fu-minblog | 2017-10-07 11:22 | | Comments(2)

この夏の読書

久しぶりの本のレビューに戸惑うばかり。
というよりは、最近の読書量の激減に驚くばかりの今日この頃です。

とりあえず、今日は読み終えた新書だけでもレビューに挑戦。
とはいえ、たった三冊という寂しさではありますが。

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我が読書体勢(横になって読む)や値段が手ごろなので新書はご愛用。
ただし、新書はできるだけ新しい新刊を選ぶ。

「本を読むのが苦手な 僕はこんなふうに本を読んできた」 横尾忠則書評集
この本は一番最近出版で、私的には一番面白く、一気に読んだ。
朝日新聞書評欄2009~2017年に掲載された横尾氏の書評133冊が収録されている。
私は毎週この書評欄を愛読しており、なかでも横尾氏の書評が大好きなのである。

横尾氏は、ご存知のように、現在は画家で以前はグラフィックデザイナーとしてご活躍。
私にとってはその生き方(隠居宣言)も含めて、アコガレの存在なのである。
だからといって、横尾氏の書評を贔屓しているわけでは決してない。

横尾氏はこの長いタイトルにもあるように、読書が苦手だということである。
けれど、私が言うのもナンだけど、横尾氏の文章はとても上手いと思う。
私は横尾氏の著作(小説は除く)のほとんどを読んでいるのではないだろうか。

「人類の未来」AI、経済、民主主義 吉成真由美[インタビュー・編]
最初に読んだ「知の逆転」が面白かったので、続編の「知の英断」に続き読んでみた。
ノーム・チョムスキーは「知の逆転」にも登場するが、あとはもちろん知らない方ばかり。
ざっと一読しただけなのでどこまで理解できたかは不明だが、シンギュラリティ(指数関数的変化・成長)という考え方を初めて知り、驚きと大いに刺激を受けた。

「知性の顚覆」橋本 治著
この本は、はっきり言って面白くなかったけど、とりあえず完読した。
横尾氏と逆で、文章がぜんぜん受け付けない。
いったい何が言いたいのか私には不明で、もやもやを晴らすどころか余計もやもやしたのだった。
ただ一つ、かっこうの睡眠薬にはなったかも。。。

いやぁ~、本のレビューやっぱり疲れるなぁー
おまけに、途中でせっかく書いた記事が消滅、涙がチョチョ切れました。



by fu-minblog | 2017-08-14 12:15 | | Comments(0)

「騎士団長殺し」

ハルキストってほどではないけど、村上春樹の長編の新刊が発売されるとほぼ読んでいる。
今回はワケあって、発売されてから二ヶ月余りが過ぎてからやっと購入した。

ちょうど大型連休の始まる前で、何処へ行く予定もないので、せめてハルキワールドでも行ってこよっか、と思った次第。
まるでディズニーランドへ行く子どもみたいに。

さりとて以前のように一日読書三昧、というわけでもなく、毎日夜寝る前のお楽しみになっていた。
ゆえに、連休期間には読み終えられなかったのだが、私的にはあんまり早く読み終わってはかえって困ってしまうのだった。

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実は読み終わって一週間くらい経つのだが、時々騎士団長が目の前に顕れる?
いつものハルキワールドなのだが、それがいいか悪いかは別にして、これまでの長編に比べて解りやすいのではないだろうか。
文章はいつも通り読み易いので、読もうと思えばすぐに読めるかも・・・

1部イデア編、2部メタファー編などまんまやんか、と突っ込みたくもなるが、あくまでハルキ的?
どこまでが現実で、どこまでが非現実なのかが分からない世界。
でも、今回の主人公は偶々画家なのだが、美術の世界ではシュールレアリズムはれっきとした分野である。
小説世界だってシュールレアリズムがあっても不思議ではないのである。

村上春樹は日本では数少ないシュールレアリズム作家なのだと思う。
そして、シューレアリズムには批評はともかく、あまり解釈や分析はしないほうがよい。
ただ、物語のチカラを信じればいいのではないだろうか。


by fu-minblog | 2017-05-17 11:17 | | Comments(0)

「引揚げ文学論序説」

「引揚げ文学論序説 新たなポストコロニアルへ」朴裕河(パク・ユハ)著という本を新聞の書評で知ったのは、2月半ばだったと思う。
その本を図書館で借りよとしたら未所蔵だったので、ダメもとでリクエストしてみた。
すると、ほぼ1ヶ月くらいで予約完了のお知らせがあり、正直驚いた。
まず、本が購入されたことに、そして、予想外の速さに。
モチロン、喜びこそすれ文句を言う筋合いではさらさらなく、有難いことではある。

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ただ一つ、内容次第では最後まで読めるだろうかと、心配だった。
それが、読みだすとやめられず、2週間の期限を数日残して読み終わったのである。
一つには、韓国人にもかかわらず、日本語の文章が的確で読みやすい。
朴裕河さんの本は以前「和解のために」を読んで、非常に感動し共感を覚えたのだった。
「引揚げ文学論序説」もまた、今まであまり語られなかった貴重な歴史の事実を知ることになった。

この本は、引揚げ文学、つまり引揚げ者の文学について書かれている。
しかも、植民地・占領地で生まれ育った文学者たち、敗戦当時の少年少女たちにスポットが当てられている。
そして、そこにあぶり出されるのは、被害者の被害だけではなく、加害者の被害である。
一緒に生活する植民者と被植民者の複雑な人間関係、敗戦によって支配と被支配の立場の逆転など、想像するだに胸が締め付けられる。

ほんとは、もっと時間をかけて深く読むべきなのだが、とりあえず今の感想のみ。
私が一番残念にも疑問にも思ったのは、なぜこの本の作者が韓国の朴裕河さんだったのか、当然日本人が書くべき戦争の真実ではないのか、ということだった。
by fu-minblog | 2017-03-26 11:22 | | Comments(0)

「100万分の1回のねこ」

佐野洋子さんが亡くなられて6年余りが過ぎた。
佐野さんのエッセイの大ファンだった私には、内容はもちろん、もうあの歯切れのいい文章が読めないのかと、人生の楽しみが一つ減ってしまったような気さえしたのだった。

その後、それまでの単行本に収録されなかったエッセイや対談集、追悼特集が数冊出版され、その度購入しては読んだのだった。
今回の「100万分の1回のねこ」は、中でもちょっと遅めに出版された本で、私もモチロン目にしていた。
佐野さんの絵本の代表作「100万回生きたねこ」の13人の作家によるトリビュート短編集なのだが、当時はなぜかあまり興味が湧かなかったのである。

それがつい先日書店をウロウロしていた時偶々見つけ、つい買ってしまった、というわけなのだった。

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佐野さんのエッセイ集は、たぶんほぼ全部読んでいて、しかもそのほとんどを持っていると思う。
それほど、佐野さんのエッセイ、佐野さんの生き方、考え方に憧憬の念を抱いていたのだった。
ただ、本職の絵本の方はあまり読んでなく、我家にあるのは「100万回生きたねこ」だけである。
しかも、初版から30年経った2007年版で、オトナも大人、いい歳になってから読んだのだった。

「100万回生きたねこ」を、もし子どもの頃読んでいたら、いえ、この絵本を読んだ子どもたちがどんな感想を持つのか、ぜひ、私は知りたい。
なぜなら、絵本としてこんな不思議な本もなく、ある意味哲学的でさえあるからである。
一匹のオス猫が死んでは生き返り、しかもその度、嫌いだという飼い主を泣かせるのである。
さいごに、ノラ猫になったオス猫が、自分自身より好きになった白猫が死んだとき、はじめて100万回も泣いたあと、となりでしずかに永遠の眠りについたという・・・

まさしく、佐野洋子さんらしい、佐野さんでなくてはゼッタイ書けない絵本だ、と思う。
「100万分の1回のねこ」を読んで思ったのは、やはり原作は越えられない、この絵本の圧倒的な力強さを否応なく感じるのだった。
佐野洋子さん、これからも、何度でも100万回だってよみがえってください。
by fu-minblog | 2017-02-12 11:26 | | Comments(0)

「マチネの終わりに」

今年初めて本屋で買って読んだ本が、平野啓一郎著「マチネの終わりに」である。
もはや新刊とは呼べないのかもしれないし、モチロン、出版された時から知ってはいた。
ではなぜ、平野啓一郎サマの本を今まで読まなかったのか、あるいは、なぜ今になって読む気になったのかは、自分でも分からない。

でもとにかく、遅まきながら「マチネの終わりに」を読んで、久しぶりにどっぷり小説世界に浸ることができたのだった。
最近読みたい本買いたい本が無く、仕方なく手持ちの本の再読で我慢していたのがウソみたい。
以前だったら徹夜で一気読みしたかもしれないが、サスガにその体力も集中力も今はない。
けれど、それくらい面白く、のめり込んだのだった。

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オトナの男女の恋愛を軸に、様々な世界の社会問題、古くは長崎での被爆から現代の紛争・テロ・金融危機・難民問題・天災などを絡めつつ、スケールの大きい物語が展開。
最初、天才ギタリストと聡明で美人のジャーナリストという主人公の設定にはアレ?だったのだが、理不尽な人生を受け入れつつも前に進んでいく二人の潔さには感動。
ちょっと美しすぎる気がしないでもないが、せめて物語だけでも美しい方がイイ!というのが正直な気持ちである。

平野啓一郎といえば、芥川賞受賞作「日蝕」以来のファンである。
我家の本棚にもかなりの著作が揃っており、この度引っ張り出してみた。
これ以外に、文庫本や新書のエッセーも何冊かある。

その中でも今回の「マチネの終わりに」は、この作者独特の美しい日本語の美しい文章が、まるで音楽のようにメロディーがあり心地よい。
そして、わたしとしたことが、思わず感涙に咽んだのだった。
by fu-minblog | 2017-02-01 18:29 | | Comments(0)

テレビde 中原中也詩集

NHKEテレの100分de名著今月(1月)の本は、中原中也詩集である。
・・・ということを知ってテキストを買い、早や第2回の放送まで見終った。
今年は中也生誕110年、没後80年の記念の年とか、である。
それよりなにより、僅か30年の短い生涯であったことに、あらためて悲しみを深くする。

私が初めて中也の詩に出会ったのは、高校生の時である。
ある日、国語の先生がイキナリ何も言わず、黒板に「汚れちまった悲しみに・・・・・」を書かれた。
それ以来、中也の詩集をいつも持ち歩くようになったのである。
たぶん、それは私が10代の間じゅう続いていたのではないだろうか。

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文庫本のその詩集を、実は今だに私は持っている。
あまりにボロボロですっかり変色していたので、新しい文庫本を買ってからでも10年以上は経つ。
その先生は「汚れちまった~」が一番お好きだったようだが、私は「一つのメルヘン」が一番好きで、このブログにUPしたこともある。

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わが青春の中原中也、ってところだろうか。
もちろん、今でも好きな詩人であることに変わりはない。
by fu-minblog | 2017-01-19 10:36 | | Comments(0)

この夏の読書

私の夏の楽しみの一つは、昼間ベッドやソファーに寝っ転がって本を読むことだった。
けれど、今年はあまりに暑すぎた!
おまけに、睡眠不足が続いて横になると眠くなる、という有様。
おかげで、最近めっきり減ってる読書がますます少なくなったのだった。

そんな中、芥川賞の村田紗耶香の本を新たに2冊ばかり読み、計4冊を読んだことになる。

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「消滅世界」と「コンビニ人間」はほんの少しだが触れたことがあるのでここでは省くが、
あとの2冊、「殺人出産」と「しろいの街の、その骨の体温の」をすこし・・・

「殺人出産」は、10人産めば1人殺してもいい、という「殺人出産制度」が認められる世界の話しなのだが、こういう極端な設定を通して、正義や常識に疑問符を投げかけるのがこの作者の特徴かもしれない。
併掲されている「トリプル」「清潔な結婚」も同じで、「殺人出産」から「消滅世界」へと発展したのではないだろうか。

「しろいろの~」は、一人の少女の目を通して、新興住宅地の小中学生の生活が描かれる。
女の子同士の複雑な友情関係、少女のある少年に対するサディスティックなまでの性衝動、やがて中学生になった彼らは、さらに厳しいヒエラルキーの中で身動きがとれなくなる。

時代が違いすぎてとても自分の中学生活とは比べられないが、この年頃の苦しみや傷みが繊細かつ丁寧に描かれた力作だと思う。
村田紗耶香の作家としての力量を感じさせる作品ではないだろうか。
by fu-minblog | 2016-09-01 21:26 | | Comments(0)

「コンビニ人間」

芥川賞は卒業なんぞと言った舌の根も乾かぬうちに、今回の芥川賞を早速読むことに。
それは先日読んだばかりの「消滅世界」の村田紗耶香が偶々受賞したからである。

ここ数年芥川賞作品はだいたい読んできたが、「コンビニ人間」は読みやすく、面白い。
コンビニという、今や最も日常的で生活に密着した場所が、ガラスのケースの中の異次元に見えたりしてくる。

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主人公古倉恵子は、コンビニでのバイト歴18年、マニュアル化したコンビニ店員としてしか生きてゆけない。
そんな就職もせず結婚もしない彼女を、家族や友人や同僚でさえ異端視する。
しかし、婚活目的の新入り男性が現れて、しかも物の弾みで同居することになり、事態が急変していく・・・

ここで問われるのは、普通とは何かということであり、正常と異常、あるいはマジョリティーとマイノリティーの問題である。
そして、これはなかなかに難しい問題なのである。

そういう点で、この小説にかんしては、あまりに短絡的な気がしないではない。
今どき、就職もせず結婚もしない人間はけっして珍しくはないし、選ぶ自由はある。
他人の思惑なんぞ気にせず、自分は自分、他人は他人で生きていけばよいのである。

「消滅世界」では、性と生殖を切り離した人間の近未来が描かれていた。
また「コンビニ人間」は、主人公のようにマニュアル化されないと生きてゆけない、人間のロボット化をふと思わせた。
それが、「遺伝子の呪縛から脱することに成功した唯一の生物(福岡伸一)」である人間の幸福、あるいは不幸なのかも。。。
by fu-minblog | 2016-07-30 10:55 | | Comments(0)

二冊の新刊

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最近めっきり減ってる本のレビューを久しぶりにしてみんとて・・・
本を読むのが減っているのか、本を買うのが減っているのか、たぶん両方。
ただ、手持ちの本の再読は、けっこうしているのである。

今回たまたま、誰か貸してくれないかな、と思っていた本が借りられた。
今年度の本屋大賞の宮下奈都著「羊と鋼の森」である。
ほとんど昨日一日で読み終わったので、その勢いで書いておこうと思った次第。

ピアノの調律師という、あまり一般的ではない世界の話なのだが、調律師にかぎらず、いわゆる職人の世界では通じる話なのではないだろうか。
読みやすく、スラスラ読めてしまうところが長所でもあり欠点でもある?
また、登場人物があまりにいい人ばかりなのが、少々物足りない。

村田紗耶香の「消滅世界」は、一ヶ月以上前、図書館予約では待ち切れず、さりとて貸してくれる人もなく、泣くなく?自分で購入した。
すぐに読むことは読んだのだが、内容はともかく、人間の性と生殖について一つの問題提起をしていると思う
私は常々、少子化を叫び、産めよ殖やせよと宣うお上に胡散臭さを感じている。

これで今日読む本は手持ちの広井良典著「人口減少社会という希望」に決まり!
by fu-minblog | 2016-07-17 12:45 | | Comments(0)


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