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ワインでもないのに、4年間も本棚の中で熟成?していた本を一気に読みました。 しかし、読み終わった今、まるでマッコルリを飲みすぎて身も心もフラフラって感じで、ひょっとしたら二日酔い状態。 当分の間、この酔いから醒めることはかなわぬようです。 柳美里渾身の力作、この作品への滾るような情熱に圧倒されます。 今まで読んだ作品(ほんの2,3冊)では韓国人であることをそんなに意識はしなかったのだが、この作品は、まさしく柳美里の韓国人の血が書かせた、という感じです。 この本の中には、韓国の空気、韓国の風、韓国の匂い、そして韓国人の魂が詰まっているのです。 幻の五輪マラソンランナーだった祖父である李雨哲(イ・ウチョル)の生涯を辿りながら、日本統治時代から日本敗戦による独立、また南北分断から現代へと民族苦難の時代が、密陽という韓国一地方都市を舞台に、一般庶民の生活と姿を通して活き活きと語られます。 勿論小説として書かれてはいるのですが、驚くべき膨大な資料による歴史検証も行われています。 文中随所に繰り返し挿入される韓国や日本の歌、「すっすっはっはっ」に代表される擬音が、まるでパンソリの太鼓のようでもあり、この作品の最初から最後までの流れをつくり、音楽のようなメロディとリズムを感じさせます。 韓国語が多く使われ、特に擬音に使われているのが実にうつくしく耳に心地よいのです。 また、死霊祭から始まり死霊祭で終わる形をとっているからか、私には死者の魂が柳美里に乗り移り、彼女がイタコになって語っている気さえしました。 物語は、1925年4月7日、李雨哲の12歳離れた弟である李雨根の誕生から始まるのですが、 その複雑で哀しい家族史は、民族の受難の歴史とも重なります。 幼い従軍慰安婦や弟雨根の死など、読むのが辛い場面もありますが、今まで観たドラマ・映画・本の中で、これほど韓国が肌で感じられることも珍しい。 私がかって、「夜と霧」によってアウシュヴィッツを知ったように、「ワイルド・スワン」によって文化大革命を知ったように、今「8月の果て」によって韓国人の深い恨を知ったような気がします。 今から100年ほど前の1910年、韓国は日本の植民地となりました。 倭奴(ウェノム)と呼ばれた私たちの上の世代が朝鮮から奪ったものの中で、一番彼らを傷つけたのは、朝鮮の言葉、文字、そして姓だったのではないでしょうか。 なぜなら、それは朝鮮の歴史を奪うことであり、朝鮮の人々の誇りを踏みにじることであったから。 そして、もし朝鮮が日本の植民地になることがなかったら、南北分断もなかったのかもしれないと思うと、日本の侵略の責任はあまりにも大きいと思います。 なぜなら、中国と同じように、反日抗争が共産主義と結びついていったのでは、、、と思うから。 だから、私としては韓国・中国の反日感情は、ある程度は理解しなければ、と思うワケです。 本のチカラ、文学のチカラをあらためて思い知りました。 2008年8月にこの「8月の果て」を読んだことを、私はけっして忘れないでしょう。 (なにしろ目下酩酊中なもので、多少オーバーな表現はお目こぼしを・・・)
by fu-minblog
| 2008-08-22 11:10
| 本
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Comments(2)
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Rika-news at 2008-08-22 16:19
fu-minさん、こんにちは~
先日、この本がチラッと紹介されていたので どんなかな・・・と興味を持ちました。 でも、fu-minさんが「寝かしていた」という本を すぐには読む勇気が出ず、実は今日の日を待っておりました。 で、やっぱり挑戦してみようと、 とりあえず!!手に入れることにしました・・・。 4年以内に体力を蓄えて読んで見たいと思います。 ところで、柳美里さんというと、いつも法隆寺の百済観音像や 広隆寺の弥勒菩薩像(頬に中指をそっと当てているほっそりした仏像) を思いだします。似てるなあって。 ま、時代は違えど、同じ所から来られた美人同士ですからね~ (いつか、誰かに言ってみたかったのです)。
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fu-minblog at 2008-08-23 00:04
> Rika-newsさん こんばんは~
4年前、まさか本を開きもしなかったワケではないのですが、第1章で早くも挫折した憶えがあります。 死霊祭とやらで巫女なんかが出てきたもんで・・・ 今思うと、第2章か思い切って第3章から読んだほうがよかったのかも・・・ また、当時は韓国語がほとんど理解できなかったのも原因の一つでした。 おまけに、あまりのぶ厚さに恐れをなしました。 現在は文庫化もされており、シマッタ!と思ってももう遅いのです。 あの仏像似の柳美里さんの、どこからこんな作品が生まれるのか? いやはや、驚きました。
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