この1週間で、矢口敦子の本をさらに4冊読みました。
これで地元の図書館で借りられる本を全て読んだばかりか、元々寡作な方なので、その作品のほとんどを読んでしまったことになります。
いつものビョーキが出たってゆーか、私の不治の病、みたいです。
どの作品も私好みで面白かったのですが、他の人にとってどーかはビミョーです。
なにしろ、かなり好みが偏っており、たいていの場合マイノリティな人間なもので・・・
ジャンルとしてはミステリーといえますが、事件よりも人間のこころ、あるいは人間の存在そのものがミステリーであるような作品が多いです。
上の2冊はどちらも、インターネットの功罪、あるいは、現実よりもリアルなネット世界を通して、やはり切なく哀しい人間が描かれています。
ときどき挿絵も入っていて、子供の頃読んだ本を思い出し、ナンカ懐かしかったです。
「もういちど」は心臓移植を受けた少年にドナーの魂が語りかけ、ある真実を明らかにさせようとする・・・といったユニークな話。
「そこにいる人」は重い肝臓病の姉にたいする、妹である女子大生の揺れ動く複雑な想いを描いた佳作、身につまされました。
矢口敦子さんは北海道生まれ、病気のため小学校を途中で就学猶予、その後通信教育で大学を卒業し、1991年「かぐや姫殺人事件」で作家デビューとのこと。
現在の状況は分かりませんが、病気とは思えぬストーリーテラー、また病気ゆえの人間への鋭い観察眼を感じさせます。
2005年「愛が理由」が最新作というワケなのですが、私としては次の作品が待たれます。