昨夜のTV番組、「美の巨人たち」で石田徹也が取り上げられました。
思えば一昨年の9月17日、「新日曜美術館」で私は初めて石田徹也と出会ったのでした。
その日の衝撃、興奮は今でも忘れられません。
あれからもう1年半が過ぎ去ったのかと、ちょっと複雑な思いにかられる自分がいます。
今、私の手元には、「石田徹也遺作集」なる一冊の画集があります。
これは埃も被ってないピカピカの、私の中では一番新しい画集です。
約100点の作品が収められたこの画集を開くことは、自分自信のこころを開くような気さえします。
だから、怖いよーな、恥ずかしいよーな、懐かしいよーな、えもいわれぬ不思議な感覚に捉われてしまうのです。
ほんとうにいい絵に出会ったら、ひと目観ただけでその絵の中に引きずり込まれてしまうものです。
どんな説明も解説も要らないし、どんなことばも必要としない。
石田徹也の絵は、私の人生で遭遇した、そんな数少ない絵のひとつです。
また、展覧会上で観た実物の絵は、私のイメージの中にしか存在せず、画集の中にもないのかもしれません。
石田徹也は、まるで呼吸をするように絵を描き、絵を描くためにこの世に舞い降り、そして去って行ったのかもしれない。
彼が命と引き換えに残していった数々の絵、その生きた証にまたぜひ会いに行きたいものです。
※ この番組は今日17時30分よりBSジャパンで再放送があります。