この衝撃的且つ感動的な映画を、昨夜NHK BShiで放送されたのを観たのですが、やっと観た、というのが実感です。
今まで何度も観る機会がありながら、どこかで躊躇させるものがあったのです。
一昨年劇場で上映されていた時も、その後昨年秋にはスカパー映画チャンネルでも度々放送があったにもかかわらず・・・
映画「ホテル・ルワンダ」は2004年度作品なのですが、日本での上映は2006年、多くの方々の努力によってはじめて実現しました。
その経緯については、当時はほとんど知らなかったうえ、ルワンダで起こったフツ族のツチ族への悲惨な大虐殺についても、詳しく知っているワケではありません。
だから、今ここでこの映画のレビューをするのは、私的には自信も資格もない、と思っていました。
ところが、タマタマ今日の新聞に、このルワンダ問題が大きく取り上げられていて、これもナンカの縁かも知れないなどと勝手に解釈し、UPすることにしました。
記事によると、喜ばしいことに、ルワンダでは和解の道が開けているとのこと。
虐殺の加害者であるフツ族の元人民兵士が、被害者であるツチ族向け住宅建設の労働奉仕という形で罪を償っているそうです。
これは、「ガチャチャ」という、村人参加の草の根裁判集会の伝統的手法に依るものです。
映画は、ルワンダのシンドラーとでもいうべきホテルマンが、1000人以上のツチ族とフツ族の難民を救うという、実話に基いたストーリーです。
憎悪によって理性を失い暴徒化した人間の残酷さと、家を失い生命を脅かされている難民のために奔走する人間の崇高さ、の両面を見せつけられます。
でも、私的に一番心に重く残ったのは、やはり人種差別、フツ族ツチ族の争いの元を作ったのは、ほかでもない、宗主国ひいては欧米列強国だということです。
それはちょうど、アラブ・イスラエル問題と同じような構図に見えました。
そして、この映画の一番世界に訴えたいことは、無関心の怖さ、あるいは罪なのではないでしょうか。
DVDも発売されています。ぜひご覧ください。
悲惨で怖いシーンもありますが、ハッピーエンドなのでホッとします。
エンディングに流れる子供たちの歌声に救われます。