このユニークな絵本を知ってから、数ヶ月は経っているでしょう。
モチロン、本屋で捜したけれど結局見当たらず、そのままに・・・
それが、先週の新日曜美術館で堀文子を見て以来、急にこの絵本が10倍ズームくらいになって目の前をチラついてしまった、って次第。
なぜなら、この本の挿画が、他ならぬ堀文子だったから。。。
実は、私がさいしょにこの本に惹かれたのは、この絵本が中村桂子という生命科学者が童話作家の山崎陽子とともに、堤中納言物語の「蟲愛ずる姫君」をベースに、いのちの誕生から38億年の進化の歴史を、バクテリアもニンゲンも同じ仲間として子供向けに語られているらしい、ってことでした。
おまけに、堀文子画というので、このテのハナシ好きな私としては、いったいどんな絵本なのかますますキョーミシンシン、でした。
堀文子は、ヒマラヤのブルーポピーを実際に見に行き描くほど、花や自然をモチーフにした画が多いのだが、この絵本の画のように、なぜ顕微鏡でしか見えないような小さな生物を描くようになったのかが不思議でした。
そのナゾが今回の番組で一挙に解けました。
足を悪くして遠出できなくなられたこともあるが、堀文子が見ていたのは、自然や花のむこうにある、いのち、だったんだと。
そんなワケでこの絵本は、子どもはモチロン、大人が読んでも十分面白いし、特に、堀文子の画がすばらしく、ちょっとした画集のようです。
私的には、目に見える地上の花より、神秘的でうつくしく感じられます。
また、このオハナシは、朗読ミュージカルとしても考えられており、次の詩には曲もついています。
ものみな一つの細胞から
生まれたいのち 尊いいのち
三十八億光年のむかし
生まれた一個の細胞
いのちの みなもと
(上の画像は、画をなるべく切りたくなかったので、実物の表紙より幅が広目です)