日差しが急に明るく温かくなると、家にじっとしていられない。
昨日はつい、倉敷雛めぐりに商店街から美観地区へと歩くことに。
倉敷民芸館の前を通った時、ふと、「布志名舩木窯の魅力 舩木研兒遺作展」を見に入った。
最近は特別企画展にしか行かなくなった民芸館、昨年の「ざるとかご」展以来である。
でも久しぶりに行くと、故外村吉之助先生の声が聞こえるようで、懐かしい。
一年間、民芸とは何か、美とは何か等など、内弟子さんと一緒に講義を受けたことを思い出す。
その内容を、今となっては思い出すことはできないが、その精神のようなものは、やはりどこかに残っている気がする。
そして、民芸の「用即美」という考え方は、私の物の見方を大きく変えることにもなった。
あれは40年近く前になるだろうか?
外村先生と内弟子さんたちと、山陰へ卒業旅行に連れてもらったことがある。
その時、出西窯、湯町窯、そしてこの舩木窯にも行き、たった一枚買ったパン皿を今も大切に使っている。
自分が気に入った物を大切に、長く使うこと、けれど、使って壊れることを恐れてはいけない。
なぜなら、命あるものは必ず死に、形あるものはいつか壊れるものだから。