実は今、図書館の本の予約待ちをしているので読む本がない。
そこで、本屋をうろついてるうち思わず手に取り、つい買ってしまったのがこの本である。
必ずと言っていいほど「世界でもっとも貧しい」という形容詞が付くウルグアイの前大統領。
数冊並ぶ本もまたしかり。
子供向けの美しい絵本もあったのだが、今回は絵より内容で選んだのだった。
今春来日ということもあって、日本でもすっかり有名になったホセ・ムヒカ前大統領。
2012年、リオ会議での歴史的なスピーチが世界に衝撃を与えたという。
その内容もさることながら、大統領らしからぬ質素な生活、また、ゲリラとしての闘いや13年間もの投獄生活という数奇な経歴の持ち主でもある。
この本は、リオ会議のスピーチはもちろん、ホセ・ムヒカの珠玉のことばが数多く掲載されている。
たとえば
「私は貧乏ではない。質素なだけです。」
「物があふれることが自由なのではなく、時間であふれることこそ自由なのです。」
「お金があまりに好きな人たちには、政治の世界から出て行ってもらう必要があります。」等など・・・
しかし、ほんとうに大事なのはことばではない。
なぜなら、ホセ・ムヒカは政治家であり、前大統領だったのだから。
それにしても、日本で今こんなに本が出るということは、自国の政治家不信の表れなのか?
「政治家に倫理を求めるのは、八百屋で魚を買おうとするようなものだ」と養老孟司も言っている。
たった一時間くらいで読めて、私たちにもう一度自分の生き方や暮らし方を考えさせてくれます。