一昨日、京都国立近代美術館へ「志村ふくみ 母衣(ぼろ)への回帰」を観に行った。
私にとって神さまみたいな志村ふくみさんの作品が一堂に展示されるのを観たことがない、ということに気がついたのである。
伝統工芸展であったり、私の蔵書で一番豪華な作品集では何度となく観ているし、縁あって、畏れ多くも志村さんの着物を一瞬羽織らせて?いただいたこともあるにはあるのだが・・・
志村ふくみさんの作品は着尺なのだが、着物であることを忘れて絵のように鑑賞してしまう。
モチーフは自然の風景とも心象風景ともいえるものが多く、自由自在に色糸(特に横糸)が織り込まれているのが真骨頂だと私は思う。
志村さんにとっては絵の具ではなく、糸で絵を描かれているようである。
今回は初期の作品から最新作まで100点近い作品が展示されており、私が作品集で観ていた実物も何点かあり、感激だった。
残念乍ら展覧会は明日(3月21日)で京都展は終わるが、その後巡回されるようである。
今回、志村ふくみさんのこれほど大規模な展覧会を観られた幸運に感謝せずにはいられない。