テレビ番組で思い出し、太宰治の「斜陽」を読んだついでに「人間失格も」も読んだ。
両方とも、数年前にも読んだのだが、それは私にとって、ほぼ半世紀ぶりのことだったのである。
今回読んでみて、内容はさておき、太宰の文章は流れるようで読み易い。
私は、個人的に、リズム感のない文章は苦手なのだが、太宰の文章はメロディーがあるのである。
また、描写の巧みさ、表現の上手さにはあらためて感心する。
太宰の小説が多くの読者(とくに若者)に読まれる理由は、『「これは自分のことを書いている」という感想を持つらしい、僕もそうだ』と、又吉直樹が「第2図書係補佐」の中で書いている。
個人的な想い、考え、体験、悩みを普遍化できなければ、どんな芸術分野においてもプロではない。
「弱さをさらして生きられるのは、強い人だ」と何かで目にしたが、その通りだと思う。
ましてや、それを作品に遺した太宰治は、意外に強い人だったのではないだろうか。
余談ですが、今回iPad(寝て読むときはiPadmini)で読んだのだが、なんと読み易かったことか!
ケチなのでつい無料本しか読まないので、これからはもっと利用せねば、と思う今日この頃デス。
※ 写真は手持ちの全集のものですが、私にとっての太宰治はコレ。