風邪が長引くのは薬を飲まないばかりか、ちっとも養生しないからではないか、とふと思った。
なにしろ、スポーツクラブへ行くは映画へ行くはで、家にじっとしてないのである。
昨日は選挙の投票日だったのだが、私はとうに期日前投票で済ませている。
そこで、一日中何処へも行かず、家で本でも読むことにした。
そして昨日一日で読みあげたのが、「その女アレックス」という文庫本だった。
なんでも、昨年度週刊文春ミステリーベスト10海外部門で第1位になったようである。本屋で目に付いて、暇なとき読もうと思って買っておいたのである。
そして昨日一気に読み終えたのだが、それほど面白かったからかといえば、ちょっと違う。要するに、はやく真実が知りたい、結末が知りたかったからである。
その点本というのは、途中で止めることもできるし、最後まで読んでしまうこともできる。自分でコントロールできるところがいいのである。
しかし読み終えた達成感はなぜかなかった。真実があまりに残酷だったから。そして、これは私の嫌いな復讐劇だったから。それにしても、ミステリーなので覚悟はしていたがまるでホラーみたいに怖かった。
怖いといってもいろいろあるが、人間の犯す罪の怖さとでもいうか、つくづくこの世で一番怖いのは人間であり一番罪深いのは人間である。
予習しない私も悪いのだが、やっぱり本も読んでみないと分からないところがあって、選ぶのもなかなか難しい。
そんなわけで、偶には失敗もあるのである。