本日11月10日は、本来なら整体岡山県活元会が催されるはずだった。
私もここ数年はほぼ毎年参加していた。
しかし、今年は残念ながら中止になったばかりか、今後どうなるかもわからない。
それというのも、本部講師でもあり、事実上の野口整体の二代目でもあった野口裕介氏が去る八月三日急逝されたからである。
あまりに突然であったこと、享年六十二歳という若さであったことで、衝撃と動揺がはしった。
私も最初は信じられなかったのだが、月刊全生九月号を見るまでもなく事実を知ることとなった。
私が野口裕介氏に会うのは年に一度、岡山活元会に講師として来られた時だけなのだが、その話しを聞くのが楽しみだった。
また、毎月送られてくる冊子「月刊全生」に、初代野口晴哉氏と共に載る裕介氏の講演録をいつも読んでいた。
特に、今年の四月号に載っていた「エネルギーを使わない整体操法を残しておかなければいけない」と言われたことには感銘を受けたのだった。
そういう意味では、もっともっと長生きして整体操法、あるいは活元運動を広める活動をして欲しかった、というのが正直な気持ちではある。
また一方、じつに整体らしい亡くなり方だった、とも思うのである。
間際まで忙しいスケジュールをこなされ、いっさいの医療も受けられなかったのだから。
毎月の月刊全生の扉には野口晴哉氏の語録がいつも載るのだが、その九月号には・・・
「生くるものはいつか死ぬ也。それ故生きている也。されどいつか死ぬに非ずして刻々死している也。笑っていても泣いていても死につつある也。その死につつあるを生きていると申している也。
十日生きたる人は十日死んだる也。中略
溌溂と生きた者にのみ深い眠りがある。生ききった者にだけ安らかな死がある。」
まさしく、父親である野口晴哉氏の後継者として生き、安らかに亡くなられたのであろう。
「その生涯は整体一筋にして、孤高清冽。」とある。
合掌