先日は歌と踊りのないインド映画を見たばかりなのだが、今日はナント!急に歌い踊りだす日本映画を見たのだった。
「Shall we ダンス?」の周防正行監督の「舞妓はレディ」である。
「マイ・フェア・レディ」をもじったようなこの映画、楽しくそしてホロリとさせる舞妓エンターテインメントに仕上っている。
私はいちおう京都出身なので、詳しくは分らないが、やはり花街は肌で感じて知っていた。
それはたとえば、子どもの頃から母に連れられて毎年都踊りに行っていたとか、近所に元芸者さんが住んでいたとか、実は叔父のツレアイが祇園の出身だったりもした。
ただやはり、花街は庶民には縁遠い場所だったことは確かである。
そんなわけで、ある意味、元京都人としては興味シンシンで見に行ったのだった。
そして、花街の華やかさの裏にある厳しさと奥深さ、疑似家族のような暖かさを知るのだった。
なにより主人公が苦労する京言葉、今や花街にしか残されていないだろう言葉の数々。
しかし、私の祖母が使っていた言葉も多く、今でも耳に残ってはいる。
地方出身の少女が、慣れない環境と言葉の壁や芸事の厳しさと闘いながら、一人前の舞妓になるまでの挫折と成長。
そして、最後に明かされるあっと驚く秘密と、なかなか心憎いストーリー展開ではある。
なんといっても、ひたむきで、まっすぐな若き女子を、だれが応援せずにいられようか。
オーディションで選ばれたという主人公春子を演じる上白石萌音、歌の上手さと目が輝いている。
京言葉を指導する言語学者役の長谷川博己、茶屋の女将富士純子はじめ京都出身の役者たち、そして周防監督夫人の草刈民代などが脇をしっかりかためている。
踊りの場面は、たとえ着物姿でも、日舞ではなくいわゆるダンスなのが可笑しい。
私はかって見た都踊りの舞台を見るように、この映画を見ていた。
華やかで、夢のような・・・・・
(画像は
公式サイトからお借りしました)