このところ読みたい新刊書がなく、仕方なく図書館の本や、手持ちの本を再読したりして凌いでいた。
なので、昨日姜尚中著「続・悩む力」発売のことを知り、即本屋へ走ったのだった。
この早ワザには、いつも我ながら感心する。
ベストセラーとなった4年前の「悩む力」もモチロン読んではいるが、この「続・悩む力」は、今の私には、喉の渇きを潤す一杯の水のように心に沁みわたった。
「悩む力」と同じく、夏目漱石、マックス・ウェーバーをはじめ、ウィリアム・ジェイムズ、V.Eフランクルなどの先駆者に学びつつ、この困難な時代を生きるヒントが語られる。そして、ジェイムズの「二度生まれ」という考えに行きつく。
100年前の予言が現実となった今は、一つの終りの終りの時代であり、昨年の3・11はそんな時起こった大災害なのであった。そして、今何より大切なことは、これまでとは違う価値観、社会の在り方、一人一人の生き方を真剣に模索しなければならない時である。
私たちは、地に足のつかない未来志向、津波のように押し寄せる楽観論や幸福論、空虚な成長神話等などではなく、謙虚に悩み考えることから始めるしかないのである。
そうゆう意味で、今回の政府の大飯原発再稼働の決定は、せっかくの変革のチャンスを踏みにじった愚挙である。これは昨年の3・11よりも大きな悔いとして、歴史に残るのではないか。なぜなら、地震や津波は避けられないが、原発再稼働は人の意志で避けられるからである。
「人間にとって、本当に尊いのは、実は未来ではなく過去なのではないでしょうか。過去の蓄積だけがその人の人生であり、これに対して未来というものはまだ何もなされていない、ゼロの状態です。あくまでも、未来はまだないものであり、夢にほかなりません。」(文中より)
まだ1度ざっと読んだばかりで、理解不十分のところはあるとは思うが、今読みたい本に出会ったヨロコビとコーフンに、最近にしては珍しく即レビューとなった次第・・・
アシカラズ。。。