買い物に行き、偶さか映画館の前を通りふと目についた映画、ちょうど上映時間ま近で、しかも今週かぎり、う~~~ん、つい、つい・・・・・
先週観た韓国映画が激辛のカレーだとしたら、この映画はほんのり甘いお揚げののったきつねうどん、ってかんじだろうか。(実際、映画の中にも出てくる)
「かもめ食堂」にはじまり、
「めがね」、
「プール」、
「マザーウォーター」、そして
「東京オアシス」と続くこの一連の映画を、なぜか私は全部観ている。
人と場所とのかかわり、偶然めぐりあった人と人とのかかわりが、ただ淡々と静かに描かれる。
ストーリーさえも重要ではなく、そこに漂う、熱すぎず冷たすぎずの透明な空気を運んでくるようだ。
今までの映画との違いは、ひとつの場所で何人かが出会う、という設定ではない。
トウコという女優らしき女性が、別々の場所で偶然出会う三人、その三人それぞれとのふれあいが、二人の監督と三人の脚本家によってオムニバスのように描かれている。
そして、トウコをはじめその三人に共通するのは、どこか人生の中で途方に暮れ、迷子になったような人ばかり。
けっして、今の自分に満足し、自信まんまんに生きてはいない。
迷い、悩み、時には現実から逃げ出そうとしたり、別の道を捜してみたり・・・
けれど、三人との出会いを通して、トウコは何かふっきれたように東京の街を颯爽と歩いてゆく。
まるで、生きることは歩き続けることだ、とでもいうように。
東京オアシス、オアシスはどこかにあるのだろうか。
それとも、近づけば消えるゆめまぼろしなのか、あるいは、それはこころのなかに?
トウコを演じる小林聡美、加瀬亮、もたいまさこ、光石研、市川実日子はこのシリーズの常連、今回は原田知世と新人の黒木華が加わる。
ほっこりできます。
ちなみに、うどんはきつねが一番好き。