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「悪童日記」で鮮烈なデビューを果たしたハンガリー出身の作家アゴタ・クリストフが、今年7月に不帰の人となられたことを私が知ったのは、ウカツにもつい先日のことだった。
91年に邦訳されたのを、その数年後に私も読み、衝撃を受けたのを昨日のことのように思い出す。 その後、「ふたりの証拠」「第三の嘘」が書かれ、悪童三部作と呼ばれることになる。 しかし、私が読んだのは、2006年に出た「どちらでもいい」という短編集なのだった。 「悪童日記]は、戦争で母方の祖母に預けらた双子の少年たちの生活記録、という形をとる。 しかしその内容は、想像を絶する苛酷なものであり、彼らの生活はサバイバルそのものであった。 そしてなにより驚くべきは、少年たちの悪童ぶり、いえ、恐るべき子供たちの姿である。 ここには、子供にとって一般に必要とされるものは何一つとしてない。 あるのは、戦争、暴力、虐待、苛め、差別、労働、飢餓、孤独、性行為、サディズム、エゴイズム、殺人、安楽死等など、およそ子供には相応しくないものばかりなのである。 しかし彼らはそんな中、自己学習と称して生き抜くための訓練に励む。 また、彼らは彼らなりの大人とは別のルールをつくる。 そのルールこそが、少年たちをして極限状況をサバイバルさせた原動力だと、私は信じる。 彼らはけっして現実から目をそむけず、そして、現実から逃げなかったのである。 内容は悲惨なのだが、読んでいてそれほどでもないのは、文体によるところが大きい。 センテンスが極めて短い、単純で直裁な文体。 あくまで感傷性、主観性を排し、客観的事実の忠実な描写に徹して、まるでト書きのようである。 これは、作者が母国語ではなく、敵語と呼んだ仏語で書かれた、ということもあるのかもしれない。 「どちらでもいい」は、25篇の短篇が収められている。 ただ、全篇あまりにも統一感がなく、各篇の出来もバラつきがある。 「どちらでもいい」とは投げやりにも思えるタイトルだが、全篇に通奏低音のように流れるものは、人間の孤独、喪失感、絶望・・・なのである。 これは、アゴタ・クリストフ自身の戦争体験と亡命体験に深くかかわっていると思われる。 これを機に、他の作品も読んでみよっかなっと、目下思案中。。。
by fu-minblog
| 2011-10-30 13:15
| 本
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Comments(5)
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by
mocondor
at 2011-10-30 16:40
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アゴタ・クリストフと名前を聞いただけで、私はどうしても背筋がぴっとなってしまいます。
なんであんな暗くてこわいがいいの?とよくいわれるけど・・・ 悪童三部作、残る2作も是非! 第1作の謎が解けて行くいっぽう、あらたな謎が深まります。 (推理小説では断じてないのですが) もともと、戯曲を目指していた人なので(多分)、小説はあと「昨日」があるだけです。 自伝的エッセー「文盲」からも人となりがよくわかります。
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by
fu-minblog at 2011-10-30 19:13
>mocondor さん
アゴタ・クリストフが亡くなったことは勿論、それを知らなかったことも私にはショックでした。 mocondor さんほど読んではいないのですが、あの「悪童日記」に衝撃を受けた一人なもんで。 わかりました! mocondor さんのオススメとあらば、残る悪童2作をはじめ他の作品も読んでみたいと思います。 作品数が少ないので、お得意の?全作品制覇もできるかも・・・
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by
mocondor
at 2011-10-30 19:44
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日本語になっている全作品制覇、fuminさんならあっという間です。
寡読(っていう???)の私ですらそういうのだから間違いありません。 ところで、空豆、その後芽はでましたか? っていうか、芽は出ると思うから、冬の寒さ対策さえすれば春には収穫が出来ると思います。 祈願ご成功!
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by
mocondor
at 2011-10-30 19:51
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by
fu-minblog at 2011-10-31 09:30
>mocondorさん
モチロン、私は日本語しか読めないので、邦訳されたものだけです。 原書で読める人がうらやましい! 他の作品のことは分りませんが、アゴタさんの作品は、暗くてもジメジメせずカラっとしていますよね。 また、人は真実を見るのがコワイので、それをあまりにあっけらかんと見せられて、戸惑うのではないでしょうか。 とにかく、他の作品読むのが楽しみです。 ご心配おかけしましたが、空豆ちゃん全員無事発芽なさいました。 寒さ対策が大事なんですね?しっかり防寒させていただきます。 乞うご期待!
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