この週末もまた、読書三昧だった。
しかも、ミステリーを2冊も読みふけり、土曜日の夜は久しぶりに徹夜に近かった。
以前は、興が乗ると徹夜も珍しくはなかったが、最近はそれもほとんどない。
それは、自制というよりは、徹夜するほど面白いものが無くなったからではないか、と思う。
では、その2冊の本がそれほど面白かったか、というと、そういうわけでもない。
ただ、はやく読み終えたかった、というのが本音である。
1冊目は、先日直木賞を受賞したばかりの道夫秀介著「月と蟹」。殺人は勿論、さして事件が起きるわけではないので、ミステリーではないのかもしれない。
でも、私的にはミステリーに分類したい。
少年の揺れるこころが繊細に描かれるのだが、ストーリー展開がどこか謎めいて、ミステリアスなのは、この作家の特徴なのか?
今までの作品にミステリーが多いので余計そう感じるのかもしれない。
題名は「月と蟹」だが、実際に少年と深く関わるのはヤドカリ(ヤドカミ様)である。
二人の少年と一人の少女の禁じられた遊び、三人はそれぞれに秘密を封印して、やがて大人になってゆくのだ。
2冊目は、東野圭吾の「白夜行」。結局観てから読む結果に。それにしても、長~~~い。そして登場人物がやたら多く、複雑怪奇。
映画はかなり省略されていることを知るのだが、ま、当然だとは思う。
そして、もし映画を観なかったら、この本をを読むこともなかっただろう。また、途中でギブアップしていたかもしれない。
たいていの場合、読んでから観ることの方が多いのだが、ときたま映画やドラマを観てから原作を読む。
さて、映画ではネタバレ云々を言っておきながらナンなんですが、私がひた隠した衝撃の真実というのは、容疑者の娘である雪穂と被害者の息子である亮司との表と裏、あるいは光と影のような関係、ではない。
大人の欲望の犠牲になった子供たち、その傷のふかさである。
しかし、原作ではそれは最後の最後にチラと触れられているにすぎない。
あの長さのわりに、最後の謎解きがちょっと慌しく、残念である。
・・・で今の私の気持ちは、書を捨てよ、町へ出よう!!!