この本をいつから読んでるかというと、1ヶ月以上2か月未満くらい前である。
その間、別の本を何冊か読み終えていて、言ってみればつなぎ読み、みたいにして読んだ。
かなり長いし、いちおう哲学の本なので、一気に読むのはちょっとしんどいけど、少しづつゆっくり読んでも興味が途切れず、最後まで読まずにはいられない。
今から15年前に出版され、私もすぐに買って読んだことは憶えている。
その本を今なぜ再読する気になったのかは、本棚にあったから、というほかない。
15年前にも傑作だと思ったのだが、今回読んでもその思いは変わらなかった。
一言でいうと、西洋哲学史の本なのだが、世界一やさしく、楽しい哲学の本だといえる。
おまけに、ちょっとミステリアスなファンタジー物語仕立てになっていている。
「不思議の国のアリス」や「モモ」が子供だけでなく大人にも読まれる以上に、この本は大人向きかもしれない。哲学の専門家ではないけど、ときどき私はだれ?などとつぶやく大人たちに。
この本を読むと、西洋哲学史ばかりでなく、歴史の流れを感じ取ることができる。
そして、歴史の流れを止めることも変えることもできないけど、ある諦めと同時に、なぜかふと心が軽くなる気がするのである。