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私の田中一村狂いは、一枚の絵を、ほんの一瞬、しかもテレビで観たことから始まった。
一村の数枚の珍しい南国の自然や植物が描かれた中に、その絵はあった。 しかし、南国の風景にもかかわらず、なぜか暗く、どこか鬼気迫る印象だった。 今にも雨が降りだしそうな黒い雲に覆われた空、さざ波の立つ静かな海と砂浜の小石は沈んだグレーである。 そして、画面の左に立つ一本のアダンの木。 その中の一つの実だけが夕日に照らされて明るく輝き、神々しくさえある。 一村の絵は、色紙以外の多くは幅76cm高さ156cmの絹本に描かれている。 粗末なあばら家で虫よけの蚊帳の中、極貧と孤独な生活の中から生まれた。 その上、老いと病が容赦なく襲ってくる。 生活のため紬工場で染色工として何年か働き、お金が貯まれば集中して絵を描く。 食べるものも食べずとも絵の材料費は惜しまず、すべては画を描くことにのみ注がれたのである。 中央画壇から認められることはなく、画家として誰にも知られることなく、50歳で渡った奄美の地で、1977年69歳の数奇な生涯を閉じたのだった。 こんな画家が日本に、しかも、自分が生きている同時代にいたのかと、計り知れない衝撃を受けた。 そして、ただ口惜しかった。 しかし、一村の絵と魂はけっして死ぬことはなかったのである。 死後近しい人々によって地元で個展が開かれたのを機に、だんだんそのうねりは拡がってゆく。 そして1984年、NHKの日曜美術館で採り上げられるや全国的に知られるようになったのである。 けれど残念ながら、私はそれを観ていない。 たぶんその10数年後に知ることになるのだが、ナント!2001年秋のある日新聞を開いて驚いた。奄美大島に田中一村記念館がオープンするという全面広告が目に飛び込んだのである。 翌年の1月、私は早速友人をそそのかして?奄美大島へ、一村の絵に会いに行ったのだった。 そして一昨日、今開催中の「田中一村 新たなる全貌」展を観に、遠路はるばる千葉市美術館へ行ったのだった。(またもや同じ友人に、今度は負んぶに抱っこで) 今回の展覧会は、新たに発見された千葉時代の作品も多く、過去最大の規模といわれる。 モチロン奄美時代の主な作品はすべて(たぶん)展示されており、かなりの点数に上る。 私的には、「アダンの木」に会えたことが一番うれしかったのだが、千葉時代(30代~50代)、東京時代(10代~20代)の絵も興味深かった。 後の奄美時代の絵の片鱗(大胆な構図と色彩、そしてデザイン的センスの良さ)がアチコチに窺える。ちなみに、「アダンの木」はフランス美術雑誌「L'OEIL」の表紙にもなっている。 ただ、今回改めて驚いたのはその早熟さ、わずか5,6歳で大人顔負けの達者さなのである。 天才、神童ともてはやされ、10代で売れっ子画家になった米邨(後の一村)の画家としてのスタートは順調かにみえたのだが・・・・・ 田中一村の生涯は、ただひたすら絵を描くためにあった。 お金も地位も名声も求めず、じぶんの命を削ってまでも描き続けた。 一村の絵からは、一村の魂の声が聞こえる気がする。 田中一村さん、あのアダンの木は、いえ、あの光り輝くアダンの実は、私にはまるであなた自身のように思えるのです。
by fu-minblog
| 2010-09-05 12:53
| 美術工芸
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Comments(2)
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by
shizuka7
at 2010-09-05 21:34
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行ってきましたよ私も、「一村展」
作品数の多かったこと!じっくり観て外に出ると夕暮れでした。 千葉市なんて、そう来ることもないねと、友人と食事なぞして 千葉の夜を楽しんできました。 今まで奄美での一村は、孤独や極貧生活等つらいばかりだったと 聞いていましたが、今回、周りの人達とも楽しく付き合い地域に 溶け込んだ活動もしていたと知り、何だかホッとしました。 今夏は、記録づくめの暑さと、 一村の魂込めた作品と会えたという、忘れられない思い出の夏となりました。
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by
fu-minblog at 2010-09-05 22:48
> shizuka7 さん
まず、この一村展のことを早くから教えてもらって、ありがとうございます。 もし聞いてなかったら、日曜美術館で知り慌てて行くか、諦めていたかもしれません。 今回は、最大規模というだけあって、ほんとうに作品数が多かったですね。 奄美でも全作品を一度に展示はしてないので、こんなに観られることはもうないかもしれません。 田中一村の人生は、ある意味とても幸せな人生だったのではないか、と思います。 自分の好きなこと、与えられた才能をトコトン極めたのですから。。。
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