昨日は行楽日和のいいお天気を横目に、「1Q84 Book3」を読んだ。
先日本屋へ行ったら平積みされていたので、連休用に買っておいたんである。
おかげで昨日一日、行楽地に行かずとも、物語の世界を彷徨い歩きスリリングな一日を過ごすことができたので、それなりに満足はした。
しかし、あの結末(10歳のとき手を握り握られ恋心を抱いた少年と少女が、20年後再会を果たすという)に辿り着くために、なんと複雑怪奇な舞台装置が設えられ、なんと長~い物語があったことか!
おまけに、人が死に、あるいは犠牲になったことか!
特に、あの愛すべき?キャラ、牛河には同情さえしたくらいである。
オウム真理教を髣髴とさせるさきがけというカルト集団、空に浮かぶ二つの月、くうきさなぎやリトルピープル、マザとドウタ、あるいは、謎の老婦人と用心棒のタマル、あれらはいったい何だったのか。
モチロン、小説、あるいは物語というのは紆余曲折は不可欠である。それにしても・・・・・
ナンカ、Book4が出そうな悪い予感さえするのである。
村上春樹は地下鉄サリン事件後、その被害者と加害者側の人間に膨大なインタビューをしている。
そしてそれは「アンダーグラウンド」と「約束された場所で」として残された。
その時のインタビュー、あるいはオウム真理教や宗教に対する考えが1Q84に投影されたと思う。
しかし、私的にはその点にかんしては大いに期待はずれなのだった。
村上春樹という作家は、非常に個人的でオタクっぽい、と私は思っている。
狭い穴をどんどん深く掘ってゆくタイプで、しかもそこにあるのは社会というよりは人間の闇である。
「1Q84」あるいは村上春樹の本がなぜこんなに売れるのか、私には一つの謎である。