私はなぜか、クォン・サンウが出演した映画全5本のDVDを持っています。
そのうち日本版は「火山高」だけで、「ひとまず走れ」が香港版以外は全部韓国版です。
香港版は中国語字幕なので何とか解るのですが、あとは字幕なしかあっても英語なので、私にとってはないのと同じなわけです。
何本かそうやって韓国映画やドラマを観てきたわけですが、今はかなり事情が変わりました。
日本では今「ひとまず走れ」と「同い年の家庭教師」が続けて公開されます。
でも、私としてはそれよりもこの「マルジュク通り残酷史」をぜひぜひ公開してほしいと思います。
字幕なしのDVDでも感動だったのだから、映画館でしかも字幕付きで観れば、よりふかく理解できるに違いありません。
クォン・サンウが今まで映画で演じてきた役柄は大きく二つに分けて、前者はツッパリの不良高校生「ひとまず走れ」「同い年・・・」、後者はナイーブで内気でちょとストイックな高校生「マルジュク・・・」や神父「神父授業」です。私が好きなのはなんといっても後者です。
この「マルジュク通り残酷史」は70年代後半のある男子校が舞台です。教師も含め校内暴力が日常化した問題校へやってきた一人の転校生の、ほろ苦くそして痛い青春の日々が描かれています。暴力やいやがらせに耐え続けた主人公が、最後の最後に怒りを爆発させ、ヌンチャク持って闘うのです。その乱闘シーンは、ブルース・リーにあこがれてはいても内気で純情な少年の、心の叫びのようでした。もちろん、淡い恋もあります。
それにしても、青春とはなんと哀しく、残酷なものであることか!