なんの因果か、当分読まないと思っていた中島せんせの本を続けて読むハメになってしまいました。
著者渾身の書き下ろし、って宣伝文句と、差別感情、って言葉につい引っ掛って・・・
人はなぜ人を差別するのか?その哲学的見解を知りたいと思いました。
ここで採り上げられる差別とは、どこぞの大臣がつい口を滑らせた差別発言でもなく、表立った眼に見える差別ではない。
それは、人間である以上誰もが持っている悪意、から発する差別感情のことである。
そして、この悪意は、ある意味人間の文化にとって必要なものであり、人間存在を豊かにするものだという。
それ故、差別感情もまた消すことはできないのである。
ではどうすればよいのか?
私たちに必要なのは、一つは自分の内にある差別感情を徹底的に批判する自己批判精神。
そしてもう一つ著者は繊細な精神をあげている。
あまりに差別意識が強すぎ逆差別に走る人々は、ヒトラーを熱狂的に支持した善良な市民と同じく、繊細な精神に欠けるという。
要するに、差別感情から眼を逸らすのではなく、徹底的に考えよ、と仰せです。
最大の敵は、よく考えないこと、だとも。
う~~~ん!
幸か不幸か、哲学者ではないので難しいことはよく分からないが、
私もまた、差別感情を持っているとは思う。
ただ、差別感情を持つことと、実際に差別するのとは違うような気もするのである。
それはちょうど、死にたいと思うことと、実際に死ぬ(自殺する)こととが違うように。
勝手に読んでおきながらゆーのもナンですが、中島せんせ、新刊しばらくお休みください。