今月は活字依存症だったため、何の脈絡も無く手当たり次第の読書、と相成りました。
チョコッと紹介したものもあるのですが、しなかったものもあり~
この際恥を忍んで、自分の覚え書き程度にレビューをば・・・
「悼む人」 天童荒太著
第140回直木賞受賞作品でもあり、今映画「おくりびと」と並び世間で反響を呼んでいる作品。
実は読んだのは一番先なのだが、「おくりびと」と違い共感はできず、私的には評価は低い。
あくまで私の独断と偏見なのだが、「悼む人」からは、自分の本当に大切な人を喪った悼みが感じられない。
私たち人間は、観念的には理解できても、全ての人の死を悼むことはできない。
私たちはただ、自分の家族、自分の人生に少しでも関った人の死しか、残念ながら本気で悼むことはできないのだ。
その意味で、柳田邦男著「犠牲 サクリファイス」にあるように、死を
①一人称の死(私の死)、②二人称の死(家族・親しい人の死)③三人称の死(第三者)に分け
一番悲しいのが②の二人称の死だ、というのは全く同感である。
「悼む人」の主人公の母親は余命いくばくも無い末期がんに侵されている。
にも拘らず、主人公はなぜ第三者の死を悼む旅を続けるのか、私には解らない。
さっと通読しただけで読み方が浅いのかもしれないが、再読する気にはならずアシカラズ。
私的には「おくりびと」の原作、青木新門著「納棺夫日記」の方がオススメ。
「正直書評」 豊崎由美著
私のはたんなるシロートの読書感想文なのだが、プロの書評を読むのが好き。
中でも、辛口の書評を読むのが大好き。
ここで紹介される本は三段階に分かれている。
①金の斧(親を質に入れても買って読め!)
②銀の斧(図書館で借りられたら読めばー?)
③鉄の斧(ブックオフで100円で売っていても読むべからず?!)
ただし、一番多いのはやはり金の斧、人はたいてい読む前にある程度は選択しているものなのだ。
もし鉄の斧なら、フツーは途中で放り投げてしまうハズ。
ただ残念ながら、読む本のジャンルが違うのか、ここに出てくる本のほとんどを私は読んでいない。
それでも、時にはお腹を抱えて笑ってしまい、ストレス解消をさせてもらった。
「女の絶望」 伊藤比呂美著
伊藤比呂美の本を初めて読んだのだが、それこそ選択を誤ったかも・・・
実際に本人が担当している?身の上相談を下敷きに書かれているようなのだが、ほとんど卒業の隠居の身の私にはシラ~って感じ。
おまけに、東京生まれの作者が江戸弁で語るって形式になってるのだが、関西人の私にはイマイチ響いてこない。
この本を読んで、アカン江戸弁は!やっぱり関西弁はエエなぁ~とあらためて自分のルーツを意識してしもた。
あと、「サブリミナル・インパクト」下條信輔著ほか金融関係の新書を5冊ばかり、今月はアマゾンの売り上げに大貢献?でした。
気候も良くなり、ソロソロ活字依存症を卒業できるかも???