1月は読書も低調、マイナーな本ばかりですが・・・
「ノラや」 内田百閒
映画「まあだだよ」でもチョコット描かれていたのだが、飼い猫ノラが家出してからの内田百閒先生の哀しくもおかしい日々が綴られている。
仕事はおろか食事も喉を通らず、ことあるごとに思い出し、涙が止まらなくなるというそのあまりのうろたえようは、猫好きか猫を飼った者しか理解できないことだろう。
猫嫌い、あるいは猫に興味のない人にとってはアホかいなの、とーてい理解不能な世界だと思う。
やがてノラではなく別の猫クルツが飼われることになるのだが、これは私にも経験があり、いなくなった猫の穴は別の猫で埋めるしかないのである。
「天使のとき」 佐野洋子
「一度だけ、春画を描きたかった」という作者の、大人の童話。
チチ、ハハ、アニと作者のシュールな家族のおはなし。
ちょっとエロチックな12葉のエッチングが挿入されている。
ただ一つ、私的にはタイトルは「聖家族」にしてほしかった。
「冒険王」 横尾忠則
読むというよりは観る本。
昨年東京と神戸で開催された展覧会「冒険王・横尾忠則」のカタログの書籍化。
初期のグラフィックから最新の絵画まで横尾忠則決定版作品集。
横尾ファンとしては買うっきゃない、ってことで。。。